【breakin’】ブレイキンのルーツをNYで探る
2024年パリ五輪の正式種目になったブレイキン。かつてはブレイクダンスと呼ばれていたが、このスポーツ・ダンスは1970年代に米国ニューヨークのブロンクス地区で生まれた。ブロンクスはニューヨークの中心市街地マンハッタンの北側に隣接する地域。かつてはアフリカ系やラテン系が多く住む、決して豊かとはいえない地域であった。そのブロンクスのマンションで、1973年、あるDJが妹のために開いたヒップホップ・パーティーがブレイキンの始まりと言われている。
ブレイキンは“会話のない対話”である。言葉ではなくダンスでコミュニケーションする。もちろん、楽しみや憂さ晴らしのために始まった部分もあるが、ギャングの抗争など暴力をなくそうという意味も込められていた。かつては貧しく暴力の絶えなかったブロンクスでブレイキンが生まれたのは必然だった。ブレイキンの試合は“バトル”と呼ばれているが、平和のためのダンスでもあるのだ。
1980年代に一世風靡した伝説のグループ「ダイナミック・ロッカーズ」の元リーダーである父の後を継ぎ、ブレイキンの若い世代の育成に取り組むダンサー、キッド・クライドが、ブレイキンの歴史、哲学、未来について語りつくす。
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