出生数80万人下回る“過去最少ペース”…専門家「対策に今後10年間が最後のチャンス」(2022年11月29日)

出生数80万人下回る“過去最少ペース”…専門家「対策に今後10年間が最後のチャンス」(2022年11月29日)

出生数80万人下回る“過去最少ペース”…専門家「対策に今後10年間が最後のチャンス」(2022年11月29日)

 松野博一官房長官が危機感をあらわにした、今年1月から9月までの出生数は、速報値で59万9636人。調査開始以来、最も少なかった去年より、およそ3万人も少ない数値です。

 松野官房長官:「調査開始以来、最も少なかった昨年の出生数を下回るペース。危機的状況であると認識している」

■家族持つこと「前向きになれず…」

 また、大手シンクタンクが推計した今年1年間の出生数はおよそ77万人で、調査開始以来、初めて80万人を下回る見通しだといいます。

 政府は子育て世帯への経済支援など、総合的な少子化対策を進めるとしていますが…。

 日本総研 調査部・藤波匠上席主任研究員:「(背景には)若い人たちの結婚、出産の意欲の低下ということが見て取れる。賃金が伸びないとか、非正規で働く人が多いといった状況で、家族を持つということに、前向きになれない人が多いのでないかと考える」

 去年行われた調査では、「結婚すれば子どもを持つべき」と考える人が大きく減少したことが明らかになりました。

■これからの10年間「最後のチャンス」

 では、少子化に歯止めを掛ける効果的な対策はあるのでしょうか?

 藤波上席主任研究員:「高等教育の費用負担をどうしていくのかも、大きな課題。若い人たちの半分以上が男女ともに、大学に進学する時代だ。しかし、親の負担で進学できる人は、必ずしも多くない状況にあるので。ここ(高等教育の費用負担)をどうしていくのかということ、それの国民的な同意を作っていくということが重要だと思う」

 1990年代生まれの世代が出産をする時期にあたる、これからの10年間は、少子化対策をするうえで、最も重要な期間だといいます。 

 藤波上席主任研究員:「90年代の10年間に生まれた人は、比較的数が多かった時期。安定していた時期なので。今を逃すと、この後いくらやっても、少子化のペースのほうが早く進んでしまう。今やらなければいけない時期だと思う。これはもう、最後のチャンスです」

(「グッド!モーニング」2022年11月29日放送分より)
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