【解説】東京オリパラ「テスト大会」で談合疑惑 電通などを家宅捜索 大会組織委側も関与か？ 捜査の見通しは｜TBS NEWS DIG
東京オリンピック・パラリンピックの「テスト大会」の入札をめぐり、東京地検特捜部と公正取引委員会は談合の疑いで広告大手・電通などに家宅捜索に入りました。大会組織委員会の職員が関与した疑いも浮上する中、捜査は今後どのように進むのでしょうか。
■電通など強制捜査「テスト大会」めぐり＂談合＂の疑い
ホラン千秋キャスター:
東京オリンピック・パラリンピックをめぐり、新たな捜査です。
11月25日、広告大手・電通などに談合の疑いで強制捜査が入りました。東京地検特捜部そして公正取引委員会が合同で強制捜査ということになりました。関係者によりますと、大会組織委員会が発注した東京オリンピック・パラリンピック「テスト大会」の計画立案を委託する入札で談合があったのではないかということで、独占禁止法の疑いがあります。
テスト大会で26件の入札があったのですが、どの種目、どの会場で、どの会社・団体などがやりますよということ、みなさん落札していくわけなんですが、最終的に電通など9社と1団体が総額5億円余りで落札しました。これが事前に、誰が、どの競技種目をやりますよという、受注企業を事前に調整したのではないかという疑いがあるそうなんです。
＂談合＂とは、一体どういうものなのか。公正取引委員会によりますと、入札に参加する企業同士が、事前に相談して受注する企業や金額などを決めて競争をやめてしまうことです。
例えば、ある入札に関して…「今回は我が社が受注します」「じゃあ、私は譲りますので、次は我が社で行かせてください」「しゃあ、その次の次は我が社でどうですか」というように、健全な競争が働いてほしいところで、事前に口裏を合わせるなどして、競争原理が働かないようにさせる。このように事前に話し合ってしまうというのが＂談合＂なわけなんです。
■大会組織委員会側が関与の疑い今後の捜査は?都も調査へ
今回の談合に、大会組織委員会の幹部も関わっていたのかどうか。幹部の自宅にも捜索が入っているそうです。関係者によると、大会組織委員会の職員が入札に関して、企業側の希望を事前に聞き取っていた疑いもあるということです。入札する側も、される側も、談合に関わっていたかもしれない。
元東京地検特捜部・副部長の若狭勝弁護士に話を伺うと…
「大会組織委員会側がこの談合に関与した場合、＂共犯＂にあたる可能性もある。大会組織委員会側の関与があれば、国を挙げた一大イベントで、相当悪質なことが起きていたことになる。特捜部と公正取引委員会の合同捜査という観点から＂起訴する可能性は極めて高い＂」
さらに今回の件について、小池百合子東京都知事は25日の会見で…「よく使われる言葉かもしれませんが＂誠に遺憾です＂。都としては、組織委員会の契約手続きの適正性などについて必要な調査を行う」
■スポンサーはどうやって決まる?不透明なお金の流れ
井上貴博キャスター:
これまでもオリンピック・パラリンピックは商業化が進みすぎて、何かグレーな部分があるだろうと、なんとなくみんなが思っていたところが明るみに出てくる。これは本当に氷山の一角なのか。どこまで全体像が広がっていくのか。電通にも説明責任はありますし、情報公開はしっかりとしていただきたいなと思います。
歴史・時代小説家 今村翔吾氏
入札する側の談合は珍しくないと言ってしまえば悲しい話ですけど、組織委員会側が関与していたとなると、件数もあまり多い話ではないですし、珍しいというか、より悪質だなと思います。氷山の一角という話が出ましたけれども、これはオリンピックに関わらず、何十年、何百年と続いてきていることだと思う。だから、どこかでクリーンにするために、自浄作用ではなくて、ちょっと力が必要なのかなとは思いますね。
井上キャスター:
第三者を含めた健全な目でチェックする。あとは、お金の流れが全く見えない。どうやってスポンサーが決まっていたんだろうというのは全くわからない中で進んでいく。
今村氏:
確かにスポンサーに関しても、どういう流れで決まっているのか。例えばの話、お金さえ出せばいいのであれば、もっと多種多様な企業がいてもいいはずだけど、誰でも知ってるような企業ばかりが名を連ねてるのはどういう仕組みなんだろうとか正直わからない。そういうことを知らせてほしいし、経緯を知っていきたいと思います。
ホランキャスター:
スポンサーを巡っては、すでに起訴されている件があります。東京オリンピックを巡る汚職事件ですが、大会組織委員会の元理事である、電通元専務高橋治之被告。スポンサーなど5社から総額約2億円を受け取ったということで、受託収賄の罪ですでに起訴されています。
■招致目指す＂札幌＂冬季五輪・パラへの影響は?
東京オリンピック・パラリンピックだけの話ではないんです。こうした中で現在進められているのが、2030年の冬季のオリンピック・パラリンピック。札幌市に招致を目指すという動きなんですけれども、開催地が実際に決定するのは、2023年の秋ごろの予定ですが、こういった状況で、ここにどれだけ影響があるのかなどが注目さ…（https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20221125-6054127）
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