「まん延防止」前夜“駆け込み飲酒” “訪問診療”の実態・・・相談は「15倍」【羽鳥慎一 モーニングショー】(2022年1月21日)
オミクロン株の感染拡大を受け、21日から首都圏の1都3県など合わせて13都県で「まん延防止等重点措置」の適用が始まりました。20日夜の繁華街には、飲食店の営業時間が制限される前に、駆け込みで飲み明かす人々の姿が見られました。
■“駆け込み申請”酒提供で悲鳴
21日から、まん延防止措置が適用される埼玉県。川口市の繁華街にも、多くの人が酒を求めて、飲食店を訪れていました。
飲みに来た客:「(要請が)毎回違うので。よく分からないので。まずは飲めるうちに来ようと、きょう来ました」
埼玉県で、21日から酒類の提供が認められるのは、「ワクチン・検査パッケージ」の登録店のみ。多くの飲食店が駆け込みで申請するなど、混乱が広がっています。
「串揚げダイニング 串まる」バードハウス・渡邊洋介代表取締役:「受け付けは完了してますけど、認定の結果がまだ出ていないから。あしたに間に合わないなと不安を抱えています」
登録が確認できるまで、酒類の提供をしない方針のこの飲食店。埼玉県は、来月13日までに申請すれば、21日から登録があったとみなすことにしていますが、飲食店の現場には伝わっていませんでした。
バードハウス・渡邊洋介代表取締役:「きょうも昼間、事務局に問い合わせはしたんですけど、ずっと話し中で。20回くらいかけましたけど、電話つながらないので。結局、待つしかないのかなと思っています。やはり、大きく売り上げに影響するので。どうしても早くにお酒を出したいのが、正直なところです」
ワクチン・検査パッケージの登録店のみでの酒類の提供に、賛否の声が上がっています。
川口市内で勤務:「今さら、そんなんやったところで、感染者が別に減るとも思わない。そのルール自体が疑問ありますね」
20代会社員:「でも、なんか安心だよね」「そうですね、安心が一番なので」
50代会社役員:「面倒なのはあると思いますけど、逆に安心なんじゃないですかね」
■“まん延防止”8道府県追加へ
感染の急拡大が続く首都圏。20日に開かれた東京都のモニタリング会議では、専門家から厳しい声が聞かれました。
国立国際医療研究センター・大曲貴夫国際感染症センター長:「感染拡大が急速に進んでおります。社会活動の停止を、余儀なくされる可能性があります」
東京の20日の感染者は、過去最多の8638人。前の日よりも1200人以上増え、2日連続の最多更新です。
モニタリング会議は、感染状況の警戒レベルを3週連続で引き上げ、去年9月以来となる「最も深刻なレベル」としました。
東京都・小池百合子知事:「オミクロン株ですけれども、もう本当に皆さんのすぐ隣に迫っているんだということで。自分が感染しているかも、大切な人を感染させてしまうかもという意識で、行動をお決め頂きたいと思います」
28の都道府県で、感染者数が過去最多となった20日。まん延防止措置の適用を求める道府県が相次ぎました。
大阪府・吉村洋文知事:「あす、本部会議を開いて、国に対して、まん延防止等重点措置の要請の判断をしたいと思います」
静岡県・川勝平太知事:「本日、静岡県として、政府にまん延防止等重点措置を要請する方針を固めました」
新たにまん延防止措置の要請をする方針を示したのは、大阪など8道府県。適用されれば、21日から適用される東京などと合わせて、24都道府県となります。
■病院で欠勤「診療維持が課題」
感染者や濃厚接触者の急増は、コロナ患者を受け入れる病院にも影響を及ぼしつつあります。
50床のコロナ病床を用意している千葉大学病院。20日時点での入院患者は5人ですが、医師や看護師への感染が相次いでいます。
千葉大学病院 感染制御部長・猪狩英俊医師:「年明け以降、8人の職員が感染しております。内訳でいうと、医師が4人、看護師が3人、事務の方が1人。濃厚接触者、本日までに何人かおりまして7人くらいおりますね」
千葉大学病院では現在、感染したり濃厚接触者になったりして、15人の医師や看護師などが出勤できなくなっています。
診療体制に影響は出ていないということですが、全員、同居している家族からの感染など、院内ではなく、プライベートな活動を通じて感染したということです。
千葉大学病院 感染制御部長・猪狩英俊医師:「第5波の時もそうですけど、だんだん、いずれ増えてくるんじゃないかなと覚悟はしています」
千葉大学病院は、濃厚接触者となった職員の自宅待機期間を、これまでの14日間から10日間に短縮する方針だといいます。
新たにポスターを作り、職員に注意を呼び掛けていきますが、今後さらに欠勤が増えてきた場合、診療体制を縮小する可能性もあるということです。
千葉大学病院 感染制御部長・猪狩英俊医師:「楽観的なことを言っちゃいけないんですけど、(入院患者は)比較的軽症で済んでいるので。病棟の問題よりは、職員あるいは職員の家族が感染して、出勤できなくなる。病院の診療が維持できなくなるというのが、一番の課題になってくる」
■訪問診療の実態 増える自宅療養
オミクロン株による感染拡大で、自宅療養者も急増しています。
東京の自宅療養者は20日時点で、1万8913人。1週間前と比べて、およそ5倍に増えています。
自宅療養者の訪問診療を行っている医師のグループ「ファストドクター」。この日は、高血圧の持病がある40代男性の往診。男性は軽症で、発熱やのどの痛みなどを訴えています。
男性の感染経路は分かっていませんが、発症前日に参加した新年会で、感染した可能性があるということです。
家庭内感染が多いオミクロン株。男性と同居している70代の母親も発熱していたため、急きょ、抗原検査を実施。結果は・・・。
医師:「お母様もコロナ陽性ですね」
母親:「うわ~・・・」
医師:「本日が診断日。発症日かつ診断日」
母親は高齢のため、その場で医師が治療薬「モルヌピラビル」を処方。息子と一緒に自宅で療養することになりました。
医師:「こちらのほうで、保健所への報告を行いますので。また後日、保健所からお母さまのほうにも、ご連絡来るかと思います。うちのスタッフから、お薬のお届けなどで、ご連絡させて頂くこともあるかと思います」
■若い世代からも・・・相談件数15倍に
ファストドクターへの依頼は、若い世代からも増えています。
医師:「きのうぐらいから、なんか具合が?」
20歳大学生:「きょうから、熱が・・・」
医師:「きょうから、熱が高くなって」
発熱や倦怠感などを訴え、ファストドクターに訪問診療を依頼した20歳の男子大学生。成人式への参加後、体調が悪くなったといいます。
男子大学生(20):「同窓会があって、それに行ってきたので。もしかしたら、うつされたのかもしれないですけど」
その場で抗原検査を行ったところ、結果は陽性。39度以上の高熱も出ていました。
スタッフ:「抗原検査で陽性が出るってことは、結構ウイルス量が多い状態なので。少し隔離というか、少し距離をとって頂く形になると思います」
家族:「はい」
自宅療養者の増加に伴い、ファストドクターへの相談件数は先月のおよそ15倍。対応に遅れが出るケースも出ています。
ファストドクター代表・菊池亮医師:「主にいらっしゃる患者様が軽症で、自宅療養している患者様というところになりますので。いかに、こういった患者様を重症化させないかというところが、一番の主眼になっていくかと思います。対応に遅れが出てしまうことはあるかと思うんですけれども、必要な患者様に、必要な医療が届けられるように、努力して参りたいと思っております」
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2022年1月21日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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