【デカボスコア】CO2削減量が見える――“サステナブル消費”の入口に リンゴのレザーでリュック、コーヒーかすで燃料…続々
商品がどれだけ脱炭素に貢献しているかが分かる「デカボスコア」が、広がりを見せています。動物ではなくリンゴ由来のレザーでできたリュックや、コーヒーかすを燃料に使った缶コーヒーなどがあり、年明けにはスーパーでも表示を目にすることができそうです。
■聞きなれない「デカボスコア」表示
都内で開かれたイベントに、バッグや財布などを販売するブースがありました。置かれたリュックサックの横には、「デカボスコア59%off」という表示。訪れた人は「なんだろう…デカボ?」「この言葉初めて聞いたよね」と話していました。
植物由来の製品を展開する「LOVST TOKYO」の唐沢海斗代表は「CO2排出(量)を比べた時に(従来のものより)60%ほど低いというスコアになります」と言います。このリュックは、リンゴジュースを作る際に出た搾りかすを原料とした「アップルレザー」製です。
■アップルレザーで「59%」削減
デカボスコアを提唱したプロジェクト「Earth hacks」やLOVST TOKYOによると、通常、動物の皮から作る時には、例えば牛を育てる過程でえさを車などで運ぶ際のCO2(二酸化炭素)や、牛のゲップに含まれるメタンなどの温室効果ガスが出されます。
一方、アップルレザーだとこうした排出がないため、従来よりCO2などを59%削減できているということです。
「デカボ」は、脱炭素を示すデカボナイゼーション(Decarbonization)の略。原材料や製造・流通過程で排出されるCO2量を従来のものと比較し、どれだけ減らせるか数値化したのがデカボスコアです。博報堂と三井物産が共同で今年始め、30社以上に広がっています。
LOVST TOKYOのブースを訪れた人は「数値化されてると『あ、なるほどな』って分かりますね。新しいなって思います。これからの時代、こういうところが消費のきっかけになるなって」「決め手になるよね」という声が聞かれました。
■コーヒー製品でも「デカボスコア化」
コーヒーの製造・販売を行うUCC上島珈琲でも、デカボスコアに関する取り組みが進められています。コーヒー抽出で出るコーヒーかすをお湯を沸かす機器の燃料に使い、太陽光発電も活用するなどして、缶コーヒーのデカボスコアは8%となっています。
次に「デカボスコア化」する商品について話し合う席上、UCCの担当者は「脱プラの取り組みに向けて、紙パックの製品について取り組んでいるところです。環境に良さようなイメージを、お客様にも分かりやすい形で見せることが価値につながれば」と言いました。
デカボスコアを発案したEarth hacksの関根澄人マネージャーは「(デカボスコアを)例えばパッケージに入れていくとか、僕らもサポートできると思いますので」と応じました。
新たに、2つの商品の「デカボスコア化」へ動き始めました。
■年明けからスーパーで…発案者の思い
広がり始めたデカボスコア。年明け以降にスーパーなどでも表示される予定で、商品を買う際に「どれだけ脱炭素に貢献しているか」を実感しやすくなりそうです。
関根マネージャー
「いろんなところでデカボスコアを見るようになれると、1つ1つのアクションで貢献度が見える化できるので、無理なく普段の生活の中で、サステナブルなものを選べる世の中づくりをしていきたいです」
(2022年11月18日放送「news zero」より)
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