“地元産”野生イノシシの「ぼたん鍋」食べられない!?背景に『豚熱感染』丹波篠山市(2022年11月18日)

“地元産”野生イノシシの「ぼたん鍋」食べられない!?背景に『豚熱感染』丹波篠山市(2022年11月18日)

“地元産”野生イノシシの「ぼたん鍋」食べられない!?背景に『豚熱感染』丹波篠山市(2022年11月18日)

兵庫県では11月15日から野生鳥獣の狩猟が解禁され、本格的な「ぼたん鍋」の季節を迎えました。しかし、ぼたん鍋に欠かせないイノシシ肉をめぐって今、“地産地消できない”という問題が起きています。

 秋の味覚として栗や黒豆などが全国的に有名な兵庫県丹波篠山市。また、丹波篠山市を含む丹波地方は野生イノシシの狩猟が盛んで、市内には約40軒、ぼたん鍋を提供する店があります。ぼたん鍋とは、みそをベースにしただし汁にイノシシの肉と季節の野菜を入れて煮る鍋料理。丹波篠山市が発祥とされ、古くから親しまれてきた郷土料理です。

 (ぼたん鍋を食べる記者)
 「とてもやわらかいですし、臭味がまったくないですね。味噌のだしもしみ込んでいて、すごくおいしいです」

 ぼたん鍋は、今年3月、文化庁が地域で受け継がれてきた食文化を継承することを目的に創設した「100年フード」に認定されたことでも注目が集まっています。

 しかし、この名物をめぐり困った問題が発生しています。

 (料理旅館 高砂 桧田哲也店主)
 「(イノシシ肉の)量が少なくて足りないのが現状です。何とか自転車操業でやりくりしている」

 今年は、地元の野生イノシシ肉を使ったぼたん鍋が店では食べられないというのです。

 (丹波篠山市民)
 「ものすごく悲しいですね。地元の特産をぜひとも食べていただきたい」
 「丹波篠山といえば昔からぼたん鍋やから」

 実は去年、兵庫県内で初めて、丹波市内で野生イノシシの豚熱感染が確認されました。豚熱とは豚やイノシシが感染する病気で、強い伝染力と高い致死率が特徴とされ、県によりますと、今年11月15日までに兵庫県内で148頭の感染が確認されています。

 この事態を受けて国は、感染した個体が発見された場所から半径10km圏内の感染確認区域で捕獲した野生イノシシの肉は、市場への流通や他人への譲渡を行わないよう求めています。地元の猟友会も市場に出せないことに困惑しています。

 (丹波篠山市猟友会 坂本知計副会長)
 「(Q兵庫県内でイノシシの猟をすることはやっていない?)そうですね。いまは自分で消費する分だけですね。いままでは生産者として猟をしていたんですけども。困りますね」

 影響は、野生のイノシシ肉を扱う専門店でも。丹波篠山市の「おゝみや」では例年、約300頭の丹波篠山産の野生イノシシ肉を仕入れていましたが、今年は地元産と変わらない品質の肉を探して、県外から仕入れています。

 (おゝみや 大見春樹社長)
 「(イノシシに)PCR検査をやって陰性のものは仕入れられる仕組みを、兵庫県に作っていただきたい。そうすれば兵庫県のイノシシが安心安全なものが皆さんにお届けできると思います」

 地元で愛される郷土料理、ぼたん鍋。丹波篠山産のイノシシ肉で食べられる日は、いつになるのでしょうか?

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