【池袋暴走事故】SNSで遺族を「侮辱」…初公判で男は無罪主張「別の遺族へのもの」
2019年に東京・池袋で起きた暴走事故で妻と娘を失った遺族に対し、SNSで侮辱したなどとして罪に問われた男の初公判が16日、東京地裁で行われました。男は「侮辱する意図はなかった」と無罪を主張。その訴えや態度に、遺族は疑問を投げかけました。
■「喜ぶとでも?」…遺族侮辱の投稿
16日、東京地裁。2019年4月に東京・池袋で起きた暴走事故で、娘の莉子ちゃん(当時3)と妻の真菜さん(同31)を亡くした松永拓也さんが、「これがその時のもの」「私(のツイート)に対してリプライ(返信)しています」と言い、1枚の紙を示しました。
その紙には「金や反響目当てで、飯塚(幸三)先生と闘ってるようにしか見えませんでしたね。そんな父親、天国の松永莉子ちゃん(3歳)と松永真菜さん(31歳)が喜ぶとでも??」と書かれていました。
この内容を松永さんのSNSに投稿し、侮辱した罪などに問われている無職の油利潤一被告(23)。交通事故を減らそうと活動を続ける松永さんに対する書き込みでした。
■起訴内容は認める一方で…無罪主張
16日の初公判で、裁判官から起訴内容について聞かれた油利被告は「間違いありません」と、投稿したことは認めました。
一方で「大阪で似た事故があり、記事を見てもらいたいと思いました。自分の意見を踏まえたツイートを送りました」と主張。投稿は別の事故の遺族に対するもので、松永さんを侮辱する意図はなかったと、無罪を訴えました。
弁護人が「なぜ松永さんのアカウントに?」と聞くと、油利被告は「松永さんが交通安全活動を行っていたので見てほしいと思いました」と答えました。
■検察の質問に…口ごもる油利被告
被告人質問で検察側は「何を知ってほしいと思ったのですか?」「うまく説明できないならそう言ってください」と追及しましたが油利被告は口ごもり、「うまく説明できません」と話しました。
「しっかり相手を意識した上での文章ではないのですか?」の問いには言葉を継げず、「質問の意味が分かりますか?」と聞かれると、「分かりません」と言いました。
今後のネットでの発信については「もうやりません」と答えました。
松永さんを侮辱した罪だけでなく、油利被告は警視庁に対する偽計業務妨害の罪にも問われています。
「警察の無力さの報復のために8月14日新宿か秋葉原でどーなるか覚えておけ」と通り魔を連想させるような内容をSNSに投稿し、秋葉原の歩行者天国を一時中止する手続きを取らせるなどしました。
■傍聴した松永さん「疑問符が付いた」
松永さんは、裁判を傍聴した印象をこう語りました。
「松永真菜、松永莉子という妻と娘の名前も出した上で、これで松永に言ったわけではないというのは無理があるんじゃないのかなと。途中で半笑いしたり、そういう場面もあって、本当に心から向き合ったのかなという点では、疑問符が付くところはありました」
「彼が今日『これからはSNSはやめたい』と言っていましたけど、自分自身をコントロールできる人なのかな、というのは少し疑問かなと」
次回の裁判には松永さんが出廷し、意見陳述が行われる予定です。
松永さんは「犯罪被害者は誹謗(ひぼう)中傷を本当に受けるものです。命を絶ってしまう人もいるかもしれない。誹謗中傷がもう起きないような社会への一助となれるように活動につなげていきたい」と話しました。
(2022年11月16日放送「news zero」より)
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