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『20年前の性暴力』幼少期の性被害を訴えた女性…相手に440万円の賠償命じる判決(2022年11月14日)
幼少期に幼馴染の兄弟から性暴力の被害を受けたことを成人してから訴えた女性の裁判で、大阪地裁は11月14日に女性の訴えを全面的に認めて2人に計440万円を支払うよう命じました。
大阪府内に住む20代後半の女性。訴えによりますと、女性は20年ほど前の小学1年生の頃から約4年間にわたって、近所に住む上級生の兄弟2人から下着を脱がされて触られたり相手の股間を触らされたりしたほか、性行為の被害を受けそうになったとしています。兄弟から「誰かに言ったら警察に捕まって2人とも死刑にされる」などと脅されて、幼かった女性の心には大きな傷跡が残りました。
(性暴力を受けた20代後半の女性)
「普通に友達と遊んでいる時とかでも、その場では楽しいんですけど、頭の中ではそういう過去のことがよみがえってきたりとか、その場をあまり楽しめない」
両親にも打ち明けることなく過ごしてきましたが、3年前、兄弟の1人が突然女性の母親に女性の様子などを尋ねる電話をかけてきました。
(性暴力を受けた20代後半の女性)
「接触してきた気持ち悪さもあったし、殺されると思って。これは言わなあかんかなって思いました」
これをきっかけに母親に被害を打ち明け、その後、心療内科を受診。「複雑性PTSD」と診断されました。
診断から1年後、女性は2人に対して440万円の損害賠償を求めて提訴。裁判の中で相手側は「損害賠償請求の時効が成立している」などとして訴えを退けるよう求めましたが、女性側は「性暴力が不法行為に当たると理解できたのは心療内科の診断を受けた3年前であり、権利は消滅していない」と主張しました。
性暴力の時効をめぐる裁判は全国で起きていて、北海道では実の叔父から受けた性暴力被害をめぐり「被害女性がうつ病と診断された時点が不法行為の起算点」とする判決があります。その一方で、別の裁判では原告が敗訴するケースもあり、判例も確立していないのが現状です。
そんな中で迎えた11月14日の判決。大阪地裁は「心療内科で診察を受けて初めて、抑うつ気分やフラッシュバックの原因が2人による性暴力行為だと認識でき、損害賠償請求できることがわかった」「女性の無知に乗じて性暴力行為を行い悪質」として、女性の訴えを全面的に認めて、2人に対して計440万円を支払うよう命じました。
(女性の代理人 仲岡しゅん弁護士)
「期間が経っていたとしても声を上げることに意味があるんじゃないかと思ってくださる方がいればいいなと思っています」
女性は「同じような被害にあった方の何かしらの役に立てたら幸いです」とコメントしています。
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