「ウクライナは滅びず」へルソン奪還に市民歓喜 10万人超が解放…川岸に遺体多数(2022年11月14日)

「ウクライナは滅びず」へルソン奪還に市民歓喜 10万人超が解放…川岸に遺体多数(2022年11月14日)

「ウクライナは滅びず」へルソン奪還に市民歓喜 10万人超が解放…川岸に遺体多数(2022年11月14日)

 8カ月にわたり、ロシアに支配されてきたウクライナ南部のへルソン。今年2月からの侵攻で、唯一、占領されていた州都の奪還に市民から歓声が上がるなか、アメリカのCNNも現地に入っています。

 ウクライナ軍が8カ月ぶりに奪還した南部の州都へルソン。市民が兵士らを迎え歓喜に沸いています。

 ロシア軍に長く占領され、断水や停電が続きインターネットの接続も途絶えた街…。

 抑圧から解放され、中心部にある広場では国旗を身にまとい、国家を歌ったり自由を謳歌(おうか)したりする姿が見られました。

 ゼレンスキー大統領はへルソン州で226の集落を奪還し、10万人以上が解放されたと説明。

 ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「ヘルソン地域226集落における法と秩序を取り戻すことを約束します。警察など行政機関の一部ではすでに正常化に取り組んでいます。」

 また、ロシア軍占領下での状況が徐々に明らかに…。

 州都へルソンにあるドニプロ川西岸では多数の民間人の遺体を発見。拷問されたという場所も複数見つかり、戦争犯罪が400件以上報告されているといいます。

 ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「この地域で民間人を装ったロシア兵を拘留しました。今もスパイによる破壊活動が続いています。400件以上の戦争犯罪が報告されています。私達はすべての殺人者を見つけ出し裁判にかけていきます」

 一方、ロシア軍にとっては今年2月からの侵攻で唯一、占拠した「州都」を奪い返された形です。

 ロシア国防省の報道官:「ロシア軍がへルソンを完全に掌握しました」

 神戸学院大学・岡部芳彦教授:「ロシア政府のプロパガンダを流すテレビの有名司会者は、これは歴史的な敗北だと意気消沈した面持ちで言っている。その意味でもロシア国内で動揺が広がっていると思われる。ロシアにとってヘルソンという地域はクリミアへの水源、水の供給地でもある。インフラという面でも大きな意味を持つ」

 そして、ウクライナ側にとってはへルソンがクリミア半島を奪還する足掛かりになるとされます。

 神戸学院大学・岡部芳彦教授:「ウクライナにとってへルソンはカホフカ水力発電所のダムもありまして、インフラも非常に重要ですし、ここがロシア側に抑えられるか抑えられないかで、ウクライナの防衛にとってもかなり意味が変わってくる」

 日本時間11日にロシアの占領から解放された後、アメリカCNNの取材チームがへルソンに入った時の様子です。

 米CNNテレビ、リポーター:「(ロシアの)占領下だった時の状況について教えて下さい」

 住民:「すべての人にとって大変な日々でした。すべての人がウクライナ軍と兵士が来るのを待ち望んでいました」

 米CNNテレビ、リポーター:「きょう、兵士たちの姿を見てどう感じた?」

 住民:「最高です。素晴らしいです。毎日皆さんの支援を感じていました。ありがとうございます。ハグしてもいいですか?」

 ロシア軍がいる間、住民は地下などに隠れ、情報も遮断。ウクライナ国旗は家の隅に隠していたと明かしました。

 住民:「インターネットも水もないですが、大事なのはウクライナ人たちがここに戻ってきたことです」

 米CNNテレビ、リポーター:「自由とは、解放とは、このように感じるものなのでしょう。抑圧がなくなったウクライナ国民の姿があります」

 ゼレンスキー大統領は「歴史的な日」と位置付け、鼓舞する一方、「ロシア軍が対岸からへルソンへの攻撃を準備している」などと警戒感を示しています。 (C) CABLE NEWS NETWORK 2022
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

ANNnewsCHカテゴリの最新記事