梨泰院の事故受け…日本各地のイベント“警備強化” 3年ぶり“行動制限なし”のなか【羽鳥慎一 モーニングショー】(2022年11月4日)
156人が犠牲となった韓国・梨泰院(イテウォン)の事故で、警察のトップに事故の一報が伝わったのが、発生から2時間後だったことが分かった。
そして3日、日本は祝日で、各地のイベントには多くの人が詰め掛けた。梨泰院の事故を受けて、警備員を増員するなど厳戒態勢が敷かれた所もあった。
■“残されたノート”父のもとに
梨泰院の雑踏事故から5日、現場に残されたものを保管する体育館で一つひとつ確認するように歩くのは、亡くなった冨川芽生さん(26)の父親。芽生さんの遺品を探して見て回るが、それらしきものは見当たらない。
しかし、パソコンのリストを見てみると…。
冨川歩さん(60):「冨川って…日本語書いてますけど…」
保管されていたのは、ノートの一部だ。
冨川さん:「冨川芽生。娘のものです。破けて…。ありがとうございます」「(Q.韓国語を勉強されて?)そうですね」「(Q.勉強のあとも書かれて?)多分書いていると思います」
犠牲となったもう一人の日本人、18歳の小槌杏さん。3日、無言のまま帰国した。
■トップへの報告…発生から“約2時間後”
事故現場の近くでは、多くの人が悲しみに暮れていた。
休暇でソウルに戻ってきたという軍人の男性。親友が事故で亡くなったという。
2日、ソウル市内の葬儀場。犠牲となった高校生の弔問に訪れたのは尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の妻・金建希(キム・ゴンヒ)夫人。
金夫人:「事故を防げず、申し訳ありませんでした」
深々と両親に謝罪。姉を亡くした8歳の弟には、次のような言葉を掛けた。
金夫人:「大人たちが、お姉さんを守ってあげられなくて、本当にごめんなさい」
一方、新たな警察の不手際も明らかとなった。
尹熙根(ユン・ヒグン)警察庁長:「国民の期待に応え、警察の責務を果たすため『泣いて馬謖(ばしょく)を斬る』覚悟で臨みます」
三国志の故事を用いて、覚悟を述べた尹警察庁長。韓国メディアによると、韓国警察トップの尹氏に事故の一報が入ったのは、発生からおよそ2時間後だった。
街の人:「通報が殺到していたにもかかわらず、警察が出動しなかったことに、非常に憤りを感じます。まず、警察庁のトップが責任を取ってほしい」
■各地イベントでも“警備を強化”
日本では、祝日だった3日、各地で開催された3年ぶりとなる“行動制限のないイベント”には、厳戒態勢が敷かれていた。
夜、ライトアップされた御堂筋で行われたのは、26年ぶりに日本一に輝いたプロ野球オリックスの優勝パレード。沿道に集まったのは、およそ30万人のファンたち。
梨泰院の事故を受け、急きょ自治体の職員や警備員を200人増員し、警察と合わせて1500人体制で警戒にあたったという。
雑踏事故を警戒する動きは、埼玉県蕨市最大のイベント「宿場まつり」でもあった。
スタッフを多く配置したというのが、混雑が予想されるメインステージ。
パフォーマンスが始まる直前の映像では、画面の下の人の流れが遅くなり滞留し始めている。そこで、歩道と観客席を規制線で隔て、人が立ち止まるのを防いだ。サンバが始まっても、人の流れは止まっていない。
宿場まつり 野村睦実行委員長:「『まさか』ということが起きる可能性を考えながら、取り組んでいたけれども、何事もなく済んでホッとしています」
厳戒体制は新潟でも。例年50万人以上が訪れる花火大会が、3年ぶりに開催。コロナの影響で、この時期の開催となったが、夜の信濃川は待ちわびた多くの人々でにぎわった。
実行委員会が最も警戒するのが、この橋だ。
花火がまさに打ち上っているが、警備員がおよそ10メートルおきに配備されていて、立ち止まらないように必死の呼び掛けがされていた。
ただ、一方通行になっているので、人があふれるようなことはない。
「新潟まつり実行委員会」新潟市観光政策課 関川丈彦課長:「直前に、痛ましい事故があったり、やはり心配はしていました。“雑踏の中で立ち止まらない”。警備員に流してもらったことで、スムーズに流れたのではないか」
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2022年11月4日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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