全国初『空き家に課税』京都市導入目指す 市内に空き家は10万戸超…売買や活用促す(2022年1月19日)

全国初『空き家に課税』京都市導入目指す 市内に空き家は10万戸超…売買や活用促す(2022年1月19日)

全国初『空き家に課税』京都市導入目指す 市内に空き家は10万戸超…売買や活用促す(2022年1月19日)

財政破綻を意味する財政再生団体への転落の危機に直面している京都市が、全国初となる新たな税『空き家税』導入を目指しています。不動産にかかる固定資産税にプラスして税金を払うことになるということですが、市民の生活にはどんな影響があるのでしょうか。

 京都市上京区にある空き家は、屋根が崩れ落ち、建物があった場所はガレキに埋もれています。

 (記者リポート)
 「こちらの空き家なんですけれども、屋根が完全に抜けてしまっています。さらにフェンスが設けられているんですけれども、老朽化からか完全に傾いてしまっていて、非常に危険な状態です」

 (近所の人)
 「瓦が落ちてきているんです。ここを私が通っている時に瓦が落ちてきて死んじゃったらどうなるんですか?って。怖いです。通り道だから」
 「ずっとこんな状況ですね。この前まで屋根があったけれど屋根も落ちてしまったみたい。猫がよくウロウロしていたのでそれが嫌だなと思って。何とかしてほしいですね」

 京都市内には空き家が10万戸以上あると言われる中、市は新たな対策に乗り出そうとしています。それが『空き家税』です。空き家の所有者を対象に新たに税金を課すもので、空き家の売買や活用を促したい考えです。

 課税額は、土地の評価額と建物の評価額の合計を基に算出するということです(※導入から5年間は固定資産評価額100万円未満の建物は対象外)。例えば、京都市山科区に「築20年・床面積100平方メートル」の一戸建ての空き家を所有している場合、年間約5万円が課税されます。一方、土地の評価額が高い中京区で「築5年・床面積100平方メートル」のマンションの最上階の部屋で空き家の場合、年間約52万円が課税されることになるといいます。空き家だけでなく別荘も課税対象で、京都市は2026年からの導入を目指しています。こうした幅広い物件を対象に税を課すのは全国初だということです。

 この空き家税について京都市民に聞きました。

 (京都市民)
 「やっぱり空き家がたくさんあるというのは、周りが荒れるということにつながっていくし、空き家の活用を促していただくのが一番いいですから」
 「私、空き家を持っているし、嫌ですよね。売るにも今高くないしね安いしね。手放すのも難しいんよ。私も何回か不動産屋さんに頼んだけれど、今は売れへんて言っていたし。難しいね」

 この京都市の空き家税は正式には「非居住住宅利活用促進税」といい、空き家や別荘など人が住んでいない土地・建物が対象です。住民票・住民税の課税状況などを基に居住実態を現地調査していくということです。導入すれば8~9億円程度の税収が見込まれるとしています。

 ただし、京都市の担当者によりますと、税収が主な目的ではないということです。不動産が高すぎて若い世代が買えない状況にあるため、その価格を下げて若い世代を呼び込み、人口減少に歯止めをかけること。空き家の整理を促すことで将来行政が負う撤去費用を低減すること。こうしたことが目的で「最終的にはこの税による税収がなくなることが望ましい」と市の担当者は話していました。

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