「選択肢なかった」英次期首相・スナク元財務相に 2カ月で3人目…ロンドン支局長解説(2022年10月24日)

「選択肢なかった」英次期首相・スナク元財務相に 2カ月で3人目…ロンドン支局長解説(2022年10月24日)

「選択肢なかった」英次期首相・スナク元財務相に 2カ月で3人目…ロンドン支局長解説(2022年10月24日)

イギリスのトラス首相の後任を決める与党・保守党の党首選で、リシ・スナク元財務相の当選が決まりました。

候補者の受け付けは、日本時間午後10時に締め切られました。

立候補に必要な下院議員100人の推薦を集められたのは、スナク元財務相だけとなり、この瞬間に次期首相が決定した形です。

出馬に意欲をみせていた、モーダント元国防相は、推薦者が30人程度しか集まらなかったとみられ、立候補を断念しました。

早ければ24日にも、チャールズ国王に謁見し、スナク氏が新たな首相に任命される見通しです。

イギリスでは、この2カ月間で3人目の首相となります。

◆ロンドンの国会議事堂近くにいる醍醐穣支局長

(Q.スナク氏は経済に強いと言われていますが、国民はどう受け止めていますか?)

次の首相には、物価が上がり続けるイギリスの経済をなんとか立て直してほしいという気持ちが強いと思います。

政策面でスナク氏に期待する声は非常に高いです。

前回の党首選では、トラス氏と最後まで争いましたが、大規模な減税策を主張していたトラス氏とは対照的に、スナク氏は堅実な政策を主張していました。

一般国民への世論調査では、ジョンソン氏・スナク氏・モーダント氏、3人の候補のなかで、スナク氏への期待感が最も高くなっていました。

市場も期待感から反応していて、ポンドも上昇しています。

(Q.イギリス政局はかなり混乱しているので、スナク氏の政権運営も厳しい船出になりますか?)

スナク氏が選ばれたのは“消極的な選択”とみられるところもあります。

知名度があるジョンソン氏が出馬するという話がなければ、コロナ禍で財務相を経験していて、実績があるスナク氏しか選択肢はなかったと思います。

ジョンソン氏もトラス氏も、党内の反対派に引きずりおろされた形で辞めました。

スナク氏も党内を一枚岩にできなければ、また同じことが繰り返されます。

今、保守党の支持率は野党・労働党に3倍近く差を付けられています。

スナク氏は、経済を立て直すにあたって、緊縮財政政策を取るとみられていますが、国民の生活に直結する予算が削られた場合、さらに支持率が下がる可能性もあり、難しいかじ取りを迫られることになります。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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