「続く習近平体制」 異例の3期目で台湾統一への意欲 習氏の権力さらに強まる? 【風をよむ】サンデーモーニング|TBS NEWS DIG

「続く習近平体制」 異例の3期目で台湾統一への意欲 習氏の権力さらに強まる? 【風をよむ】サンデーモーニング|TBS NEWS DIG

「続く習近平体制」 異例の3期目で台湾統一への意欲 習氏の権力さらに強まる? 【風をよむ】サンデーモーニング|TBS NEWS DIG

世界が注目した中国の共産党大会が10月22日、閉幕しました。そこで何が決まり、これから中国はどんな動きを見せることになるのでしょうか?

■豊かな中国

北京から車でおよそ3時間の住宅エリア。ヨーロッパを思わせる白を基調にした街並みが特徴的です。

購入者(30代)
「とても過ごしやすいので、ここを選びました」

この街で、男性は5年前、およそ5000万円で住宅を購入。他の20代男性も4000万円の部屋を購入したといいます。

中国の人口14億人のうち、資産2000万円から1億円の人はすでにおよそ2100万人。
 
また世界の富裕層上位10%に入る中国人が1億人に達しアメリカを上回るなど、中国の富裕層は拡大しています。

■共産党大会閉幕  習近平氏が異例の3期目

10月22日に閉幕した中国共産党大会。習近平国家主席は、そうした中国の豊かさを誇示し、さらなる発展を約束しました。
 
習近平国家主席(10月22日)
「我々には新時代において世界が目を見張るほどの大きな奇跡を生み出す自信と能力が完全に備わっている」

そして習主席が、党トップの総書記として異例の3期目に入ることが確実になりました。

一方で、7人の最高指導部が発表され、ナンバー2の李克強首相など4人が外れることに。

また、前の国家主席、胡錦涛氏が突然、関係者に連れられ退席する場面も…。理由は分かっておらず、様々な臆測をよんでいます。

そして閉幕式では、習主席の権威をさらに高めるスローガン、「二つの確立」を党員に守るよう求めました。 

■国家主席の任期撤廃
 
そもそも中国では、建国の父・毛沢東への過度な権力集中によって文化大革命の混乱を招いた反省から、鄧小平氏が主導して、1982年、国家主席の任期を2期10年までと定めました。ところが…

全人代(2018年3月)
「改正案が可決されました」

習主席が2期目の2018年、憲法を改正して国家主席の任期を撤廃。習主席は制限なく主席に留まることが可能となったのです。

■反腐敗キャンペーンと権力
 
習主席の権力が強まった理由を、専門家は…

富坂聰・拓殖大学教授
「習近平氏になって明らかに国民の生活が豊かになっている。もう一つ、より重要なのは反腐敗キャンペーンによって、一般庶民が、習近平が賄賂役人を叩くことでものすごく溜飲を下げた。そこで国民が熱狂して習近平を支えたというのがある」

習主席が就任当時から行った党幹部や公務員などの汚職を摘発する「反腐敗キャンペーン」。

習近平主席(2017年)
「断固としてトラを倒し、ハエを叩き…」

党幹部から一般党員に至るまで、徹底して摘発。これまでの10年で立件した党幹部だけで、553人にのぼります。その中には、最高指導部の元メンバーや後継候補と目された人物も…

孫政才氏(2018年)
「私は心から罪を認め、悔いり、裁判所の判決を受け入れ、上訴しない」

また2022年に入っても、政敵とされた人物に執行猶予付きの死刑判決が言い渡されています。

■台湾統一への意欲

国民の支持を集めながら、政敵を次々と排除して権力を強化し、長期政権となった習近平体制。

今後の焦点と見られているのが台湾問題です。

中国共産党大会で、習主席は、焦点の台湾問題について、できる限り「平和統一」を目指すとしながらも…

習近平主席(10月16日)
「決して“武力行使”の放棄を約束せず、あらゆる必要な措置をとるという選択肢を残す」

台湾統一への強い決意を示し、台湾問題への介入を強めるアメリカを念頭にけん制する発言も行いました。
 
習近平主席(10月16日)
「冷戦思考に反対、他国への内政干渉に反対する」

中国は南シナ海で行ったとする上陸訓練の映像を党大会のさなかに公開。対抗するように、台湾側も実弾演習を行うなど、両者の緊張は続いています。

さらに、経済成長が鈍化することも台湾問題に影響を及ぼすと専門家は言います。

富坂聰・拓殖大学教授
「経済発展を成し遂げられない政権になると、国民の不満が政権に向く。それを受けて、習近平政権は外国に対して妥協的な姿勢は取れなくなる。つまり台湾問題などで強硬的な姿勢が見えてくる」
 
そして、10月22日に迎えた党大会最終日でも、党の最高規則にあたる規約に「台湾独立に断固反対する」という文言が新たに盛り込まれたのです。
 
台湾問題や、成長に陰りの見える経済問題などを抱えながら異例の3期目に入る習近平体制は、今後、どこへ向かうのでしょうか・・・

習近平主席(10月22日)
「成功裏に閉幕しました!」

(「サンデーモーニング」2022年10月23日放送より)

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