中国の「ゼロコロナ政策」で就職難の若者の“海外脱出”が急増 「ロックダウンなんて今の時代で現実的ではありません」|TBS NEWS DIG
シリーズ「現場から、」です。中国の今後を議論する共産党大会の最大の焦点の一つが「ゼロコロナ政策」の行方です。極端な行動制限などで景気は悪化。海外に拠点を移す人も増えるなど国民の不満が高まっています。
「封鎖解除!封鎖解除!」
「ゼロコロナ政策」が続く中国。新型コロナ感染者が1人でも見つかれば、周辺では厳しい外出制限などが課されます。
その影響は経済にも。
記者
「こちらのショッピングモールは空きテナントが目立ちます」
かつて、ここで喫茶店を経営していた男性です。
喫茶店を経営していた男性
「どんなに努力してもダメで、1年半続けましたが、店は閉めざるを得なくなりました。とてもつらいです」
店は賑わっていましたが、店内での飲食禁止措置などにより閉店に追い込まれたと話します。
そして、ゼロコロナ政策による経済への打撃は若者の就職難にもつながっています。
音楽の専門学校を卒業したばかりの黄偉豪さん、24歳。この半年、就職活動を続けていますが、仕事は見つかりません。
黄偉豪さん(24)
「“ロックダウン”なんて今の時代で現実的ではありません」
仕事に就くことができず、故郷に戻った知人も多いそうです。
そんな中、黄さんが可能性を感じているのは。
黄偉豪さん(24)
「ギターを作るのが好きなので、日本で専門的に学ぶのもありかなと思っています」
海外への「移住」。
実際に日本で就職した若者もいます。今年の春から日本で働き始めた、こちらの女性。上海での“ロックダウン”の経験から「ゼロコロナ政策」が続く限り中国に戻るつもりはないといいます。
日本で働き始めた中国人(20代)
「今日このビルが閉鎖されるのではないかと、毎日不安を抱えて生活をしていました。ちょっと失望がありました。あまりにも信じられないくらいの厳しさでした」
就職あっせん業者によると、今年に入り海外に拠点を移すことを希望する中国人が急増。中でも、シンガポールは中国語が公用語の1つであるため人気だということです。
ネット上でも「移民」というキーワード検索が増えています。
日本で働き始めた中国人(20代)
「みんな(海外に)出て良かったなと思っています」
おととい開幕した共産党大会の演説で「ゼロコロナ政策を堅持し、成果を収めた」と自信を見せた習近平国家主席。今後、政策を継続するかについては言及しませんでしたが、不満が高まる中、いかに景気回復の道筋をつけて国民を納得させられるのか、注目されます。
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