【独自】関東各地に“違法盛り土” 崩落被害も…「余生めちゃくちゃ」1年経つ今も避難【もっと知りたい!】(2022年10月18日)
ここ数年、甚大な被害が出ている「土砂災害」。なかでも、放置された「盛り土」の危険性が指摘されています。関東各地に違法な盛り土が存在し、住民の生活を脅かしていることが分かりました。
■「行徳富士」の実態…建設残土の不法投棄
去年7月、静岡県熱海市で発生し、27人が亡くなった大規模な土砂災害。被害を甚大化させたのが、起点となった盛り土です。
こうした盛り土。実は、各地に数多く存在しています。
千葉県市川市・行徳。地元住民の間で知られているのが…。
地元住民:「(Q.山の名前は?)行徳富士」「(Q.地元では知られている山?)そうですね」「行徳富士。小学校とか中学校で先生に教えてもらった」
堂々たるたたずまいと、こんもりとした丸いその形から、「行徳富士」と呼ばれている山。
広さおよそ5万平方メートル。高さ37.5メートルで、市内で最も標高が高く、「地元の富士山」と呼ばれています。
しかし、その実態は「建設残土の不法投棄」です。
1980年ごろには、すでに不法投棄が確認されていて、業者は市からの再三の撤去命令などに応じていません。
■“マンション10階分”盛り土…ついに崩落
こうした是正が必要な盛り土は、なんと全国に1000カ所以上もあるといいます。中には、すでに被害が出ているところもあります。
千葉県多古町の住宅の裏庭に積まれた盛り土。高さおよそ30メートル以上で、マンション10階に相当します。
積み上げられた土の量は、少なくとも7万5000立方メートル。25メートルプール、およそ160杯分です。
町は業者に対し、土砂の搬入をやめるよう、たびたび指導。しかし、聞き入れられず、ついに去年6月に崩落しました。
崩落直後に撮影された映像では、崩れた部分は、山肌がむき出しになっているのが分かります。山の中腹では、盛り土の作業中だったショベルカーが巻き込まれ、横倒しになっていました。
住人女性:「言葉に出ないですよ。何と言ったらいいだろうね。まさか現実に起こったこととは思わなかったです」
土砂は山の手前にあった池の水を押し出し、道路を一瞬にして寸断。泥で埋め尽くされた道路には、池にいたザリガニの姿がありました。この道は、夜まで通行止めになったといいます。
近隣住民:「あり得ないことがあったような感じ」
■「太陽光パネル」名目も…設置されず
突如、起きた崩落。この事態に、すぐそばに住んでいる人は、次のように話しました。
住人女性:「これじゃ、私の余生もめちゃくちゃ。一日として、この山のこと考えない日はない」
崩落が発生して以降、女性は夜になると不安なため自宅を離れ、町が借りた宿泊施設での生活を余儀なくされています。
住人女性:「先のことも分からず真っ暗で。安心して住めるようになれば、それでいいんですが…」
この土地は、所有者が複数いて、そのうちの1人が「太陽光パネルの設置」という名目で、業者に盛り土を依頼。しかし、太陽光パネルが設置されることはなく、ただ土だけが盛られ続けたといいます。
住人女性:「町で一時(土の搬入を)やめろと指導してくれた。だけど、また業者が始めていた。町でも止めることができなかった」
町は業者に対し、崩落の危険がなくなるまで、土の撤去を行うよう指示。毎日、職員が確認を行っているということです。
■1等地に巨大盛り土“撤去費用1億円”
一方、埼玉県宮代町の駅前にも、盛り土がありました。
地元住民:「なんだろう。古墳とかじゃないのかな」「夕日とか見る時に、すごいきれい。視界には入ってるけど、調べたことない」
東武伊勢崎線の久喜駅の隣・和戸駅から目視できる距離にあります。
実際、どれくらい近いか計ってみると、駅から徒歩1分もかからない、およそ1000平方メートルの一等地に、高さ5メートル、住宅の2階ほどまで土が積まれているのです。
隣の家に住む住民は、次のように話します。
隣に住む男性:「最初は、このような田んぼみたいな状態。いつの間にか、大きなダンプが残土。コンクリートがらとか、包装とか、色んな物を埋め始めた」
1995年ごろから積まれ、土以外にも何が入っているのか分からないという、この盛り土。25年以上もの間、放置されている理由は、「処理費用」です。
宮代町によりますと、残土の処理には、およそ1億円もの費用がかかるというのです。
隣に住む男性:「そのお金、どなたが出してきれいにしてくれるのか。なかなか個人じゃ無理ですよね。本当に困ったものですよ…」
(「グッド!モーニング」2022年10月18日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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