弾圧続くミャンマーに宮殿? 中国企業による都市開発の一部か|TBS NEWS DIG

弾圧続くミャンマーに宮殿? 中国企業による都市開発の一部か|TBS NEWS DIG

弾圧続くミャンマーに宮殿? 中国企業による都市開発の一部か|TBS NEWS DIG

クーデターに反発する市民などへの弾圧を続けるミャンマー軍。経済制裁が続く中、中国企業主導の都市開発による利益が軍の資金源の一部になっているとの疑いが浮上しています。

クーデターから1年8か月が過ぎた今も空爆や戦闘が続くミャンマーとタイの国境エリア。緑豊かな道を進んだ先に風景が一変する場所がありました。

記者
「川を越えたミャンマー側に集合団地のようなものが建設中です。大きなクレーンもあり、かなり大規模な工事のようです」

洗濯物が干され、居住者がいるとみられる団地のほか、近くにはリゾート地とみられる施設もあり、柱が宮殿を思わせるような豪華な建物も。これらは中国系企業の主導のもと、ここから30キロほど北の町で進められてきた総額およそ150億ドルの都市開発プロジェクトの一部とみられています。

企業のPR動画には、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」と関係あるかのような演出も。

日本経済大学 井本勝幸 特命教授
「あの青い屋根がレイケーコー。(開発エリアから)非常に近いです」

この開発エリアからわずか5キロほどのミャンマーの村「レイケーコー」では、5年前から長年の内戦で難民化した少数民族への支援として、日本の援助による農業訓練が行われてきました。クーデター直前にはブドウの収穫に成功するなど順調でワイナリーを建設する計画も進んでいましたが、新型コロナの影響で活動ができない間に軍がクーデターを強行。

去年12月には、この村も軍の空爆の標的となり、支援活動は水の泡となってしまいました。

日本経済大学 井本勝幸 特命教授
「わずか数キロ先の日本の支援地は地雷が埋設され、空爆されという状況の中で、ゆうゆうと開発が進んでいるということには正直驚きを隠せません」 

ミャンマーの民主派と共闘する少数民族武装勢力の幹部はJNNの取材に対し…

カレン民族同盟広報官
「市民の居住エリアを無差別に空爆している一方で、隣接する開発エリアは空爆されません。プロジェクトが軍の利権となっていることを示す、はっきりした証拠だと考えています」

プロジェクトで生まれた“新都市”には多くの中国人が居住し、オンラインカジノや人身売買、資金洗浄など、犯罪の温床にもなっていると指摘しました。

カレン民族同盟広報官
「日本の人に伝えたいのは、オンラインカジノなど、違法行為に手を出すことは軍に資金が流れるということなのです。しっかり理解してほしいです」

こうした状況はミャンマーの独立メディアも報道。

国際社会が経済制裁によりミャンマー軍に圧力をかける中、中国企業主導の都市開発が抜け穴となっている疑いが濃厚で、軍による弾圧を後押ししかねない状況となっています。

▼TBS NEWS DIG 公式サイト https://ift.tt/YB9AXLE

▼チャンネル登録をお願いします!
http://www.youtube.com/channel/UC6AG81pAkf6Lbi_1VC5NmPA?sub_confirmation=1

▼情報提供はこちらから「TBSインサイダーズ」
https://ift.tt/wvs7DhU

▼映像提供はこちらから「TBSスクープ投稿」
https://ift.tt/Kt0m1SR

TBS NEWSカテゴリの最新記事