宇宙版「国際ロマンス詐欺」 65歳女性が440万円被害…実在“宇宙飛行士”名乗る人物も(2022年10月10日)

宇宙版「国際ロマンス詐欺」 65歳女性が440万円被害…実在“宇宙飛行士”名乗る人物も(2022年10月10日)

宇宙版「国際ロマンス詐欺」 65歳女性が440万円被害…実在“宇宙飛行士”名乗る人物も(2022年10月10日)

 「宇宙ステーション勤務だ」と言う外国人から“地球に戻るロケット費用”などとして、65歳の女性が440万円をだまし取られていたことが分かりました。実在の宇宙飛行士を名乗る人物からメッセージが届いた人を取材しました。

■“宇宙ロマンス詐欺”多額の金を要求し…

 自称・宇宙ステーション勤務の外国人:「私が日本に着いたら、結婚してくれませんか。1000回言っても伝わらないけど、言い続ける。愛している」

 7日、警察が事件を公表し、注意を呼び掛けたのは、宇宙版「国際ロマンス詐欺」です。

 国際宇宙ステーションに勤める外国人男性を名乗る人物は、SNSを通じて、送金させる名目をつけては、「1週間の休暇費用」「地球に戻るためのロケット費用」「地球や日本への着陸料」などと、次々とメッセージを送ってきました。

 被害に遭ったのは、滋賀県東近江市に住む65歳の女性。今年6月に、男性とインスタグラムで知り合うと、次第に交際や結婚を持ち掛けられたといいます。

 女性はおよそ440万円を振り込み、その後も多額の金を要求してくることから不審に思い、警察に被害届を提出しました。

■インスタ→ラインへ…被害女性と“似た手口”

 被害に遭った人と同じような内容のメッセージが届いたという女性に話を聞きました。

 やり取りをした相手の自称・ロシア人宇宙飛行士は、JAXA(宇宙航空研究開発機構)のホームページにも載っている、実在の人物だったということです。

 実際にメッセージを送ってきた人物のアカウントでは、宇宙服を着た写真をプロフィールに使い、投稿は宇宙の写真ばかりで9件だけ。このロシア人宇宙飛行士は実在し、2012年に宇宙飛行士候補者に選抜され、2021年に初飛行し、帰還しています。

 やり取りをしていた40代の女性Aさんは、次のように話しました。

 自称・宇宙飛行士とやり取り 40代女性:「インスタに私が宇宙の絵を描いて上げたんです。そしたら、怪しい宇宙飛行士を名乗るアカウントからフォローされて。私がフォローしたら、すぐにメッセージが来て、やり取りが始まった」

 SNS上で送られてきた、実際のやり取りでは、Aさんは翻訳ソフトを使って、ロシア語でメッセージを返すと、相手は日本語で返信してきました。

 自称・宇宙飛行士:「国際宇宙ステーションISSからのごあいさつ」「私は宇宙飛行士です。私は現在、宇宙にいます」

 40代女性:「『日本のどこに住んでいますか。そこは今、何時なの?』『ここの宇宙には時間がありません。昼と夜のみ。私たちの宇宙船は、ISSがUTC(GMT)を観測している間、90分ごとに地球を周回しています』とか」

 怪しさを感じながらも、2日にわたってやり取りを続けたAさん。すると、ある提案をされたといいます。

 40代女性:「『別のアプリともっと上手に話せますか?』と変な日本語できまして、『このインスタグラムは、ここでの私の仕事の性質上、安全ではありません。理解して頂けるといいのですが』と来たので、私が適当に『インスタでしか話せません』と送ったら。『私はあなたが言ったことを理解していません』ときたので、そこで終わりにしました」

 まずは、宇宙の美しい画像を載せたインスタグラムで接触し、ラインなどのメッセージアプリに誘導しようとする。被害に遭った滋賀県の65歳女性と似た手口です。

■誘導の理由…専門家「ふるい掛け個別で」

 詐欺に詳しい専門家は、インスタグラムからラインに誘導するのには理由があるといいます。

 日本消費者政策学会・堺次夫理事:「ある意味、ふるいに掛けている。ふるいに掛けて、『いける』と思った人間は、個別でということになる」

 今回、事件を公表した東近江署は、SNSで知り合った相手が交際を持ち掛けて送金を要求するものは、すべて詐欺であるとして、必ず警察に相談するように呼び掛けています。

(「グッド!モーニング」2022年10月10日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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