津波注意報全て解除、潮位変化 気象庁「津波か不明」
太平洋側を中心に広い範囲に出されていた津波注意報について、気象庁は午後2時にすべて解除しました。一方で、各地で観測された潮位の変化については「津波かどうかも不明だ」としています。
発端は、日本時間のきのう午後1時ごろ。南太平洋のトンガ諸島で海底火山の噴火が起きました。トンガでは直後に津波も起きていましたが、日本の気象庁は噴火から6時間後の午後7時に「国内で津波による被害の心配はない」と発表しました。
ところがその1時間後、日本各地で潮位に変化が現れ、日付が変わる直前の午後11時55分、鹿児島県奄美市で潮位が120センチ上がったことが観測されたのです。20分後、気象庁は奄美群島とトカラ列島に津波警報を、北海道から沖縄まで広い範囲に津波注意報を出し、その後、一時、岩手県にも津波警報を出しました。
気象庁の会見
「今まで私たちはこういう現象は知っておりません」
こちらは午前0時半ごろ、奄美大島の港で撮影された映像。深夜の津波警報を受け、高台へと避難する住民らの車で渋滞も起きました。こちらは、潮位が最大で80センチ上がった高知県の室戸市。高知県では漁船が転覆や沈没し、20隻以上が被害を受けました。潮位が最大70センチ上がった宮城県では、各地の河口付近で水が逆流する様子がみられました。これまでに国内で観測された最も高い潮位は、鹿児島県奄美市の120センチ。ついで岩手県久慈市の110センチなどとなっています。
気象庁は奄美大島や岩手県の津波警報を順次解除し、午後2時には全国の津波注意報についてもすべて解除しました。一方で、今回の大規模な潮位の変化についてはメカニズムが依然不明だといいます。
気象庁の会見
「今回の潮位変化が津波かどうかというのがまだ不明ということになります。津波の特徴がみられなかった」
津波研究の第一人者は、「トンガの噴火の『衝撃波』が日本付近で津波を引き起こした可能性がある」と話します。
東北大学災害科学国際研究所 今村文彦所長
「噴火の爆発力が空気を一瞬で押しまして、それが衝撃波となって伝わっていく。今回の衝撃波は関係が深いと考えています」
(16日16:00)
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