約6700品目値上げ…止まらぬ物価高に店側も窮地『厚生年金』拡大で人手不足も(2022年10月3日)

約6700品目値上げ…止まらぬ物価高に店側も窮地『厚生年金』拡大で人手不足も(2022年10月3日)

約6700品目値上げ…止まらぬ物価高に店側も窮地『厚生年金』拡大で人手不足も(2022年10月3日)

物価高が止まらないなかで迎えた値上げの秋。今月から酒や調味料など、約6700品目もの食品が値上げされます。

消費者にとっての打撃はもちろんですが、店側も苦しい立場です。値上げだけでなく、社会保険をめぐる制度などが改正され、負担が増えています。

東京・墨田区の商店街にある個人経営のスーパーイズミ業平店も、在庫がなくなり次第、約100円で販売していた、ペットボトル飲料やお惣菜を約120円に値上げする予定です。

介護職(48):「お給料が上がるわけでもないなかで、やりくりしていかなければいけない。どうしても安いものを求めて、きょうも安いところに来た。賃上げがやっぱり期待したいところ」

年金生活者(81):「我々、年金生活者だからね。物価が上がっても年金が下がるだけ。なるべく売り出しの安いものを買うとか、本当に大変。(Q.国とか政府・自治体への要望は?)何か少し考えてもらわないと。もう少し物価の方に金かけて、国葬なんてやらなくたっていい。国民のこと考えてもらわないと困る」

店側にとっても状況は深刻です。客離れを防ぐため、社長自ら、早朝の青果市場に出向いて、少しでもお得な商品を買い付けています。

スーパーイズミ・五味衛社長:「(Q.値上げが避けられない油や小麦粉関連ではなく、比較的安定している野菜でお得を感じてもらう?)それしかない。今はそれを一番やって、火曜日も『77円セール』とか、値段でいくつ出すかで、お客さんに満足してもらっている。(Q.日々商売で工夫・苦労されて、一方で国のその辺の配慮は行き届いていますか?)はっきり言うと、もうちょっとやってもらってもいい。こればっかりは、どうやってやるか、やっぱり難しいとは思う。カードでもペイペイでも、国の方でポイントの割引券とかやってもらうと、非常に好評で、お客さんも助かると言ってもらえるので、もうちょっとやってもらえれば助かる」

少し規模が大きい、東京都内に2店舗を構える『ベニースーパー』では、新たな課題に直面しています。

ベニースーパー本部・花澤一マネージャー:「募集をかけても、なかなか採用に至る部分が少なく、どうしてもこういった仕事はマンパワー勝負なので、なかなか厳しい」

ここに来て、シフト繰りが難しくなっていました。その原因は、今月からパートなどが加入する社会保険の適用範囲が広がったためです。

これまでは、501人以上の従業員がいる企業が厚生年金の加入対象でしたが、今回、101人以上の企業も、条件にあてはまる従業員は加入が義務付けられました。

将来受け取る年金額が手厚くなるなど、働く人にとってメリットは大きいですが、現場に混乱を生んでいます。

例えば年間120万円の収入があるパート従業員は、これまで負担していなかった社会保険料が給料から天引きされ、手取りの額が下がることになります。

保険料の負担が発生するのは年収106万円からですが、たくさん働いても、それ以下に抑えている人と手取りが変わらなくなってしまいます。

パート従業員・吉田真紀子さん(68):「今まで通りの時間やっても、差し引きどうなのかなと。(Q.働いて収入が増えても、保険料の分が増えれば同じか損も?)という考えで一日減らしたんですけど。(Q.難しいですよね。すっきりしないものか)(基準の)年収を上げてくれれば、働くこともできるが」

10月を迎えるにあたってパートに聞き取りしたところ、8割が106万円に年収が届かないよう、勤務時間を減らしたいなどと申し出たといいます。

ベニースーパー本部・花澤一マネージャー:「今まで4時間働いていた方が、3.5時間で帰ると。次、4時間で来るパートさんが売り場をつなぎますが、その方もまた3.5時間で抜けて、1時間分はだれがやるんだと。社員で補填する。でも、なかなか補填しきれない。その時間を穴埋めできないところが、最終的には人手不足になる」

さらに、今月から順次、適用される最低賃金の引き上げが経営を圧迫します。今年度の引き上げ額の全国平均は31円と過去最大です。

ベニースーパー本部・花澤一マネージャー:「(Q.3日から国会が始まって、物価高対策をやる、野党はもっとやれと。届いている?)現場レベルだけで考えると、目の前の状況をどう解決して進んでいくかが、まず第一かなと」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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