賛成30%反対54%賛否分かれたまま…安倍元総理“国葬”前夜 厳戒態勢で交通に影響も(2022年9月26日)
安倍元総理の死から2カ月半。国論が二分されたまま、26日午後2時から国葬が執り行われます。
着々と準備が進む日本武道館の周辺では、26日から一部で交通規制や検問が始まっています。夕方からは、日本武道館周辺への立ち入りが禁止されました。
27日はさらに、首都高で大規模な通行止めが9時間にわたって予定されるなど、都内は“厳戒態勢”となります。
ただ、地方ではこんな事件も起きています。
甲府市にある自民党山梨県連の建物では、1階のトイレの便器や壁の一部から焼け焦げた跡が見つかりました。
警察は、火がついたものが投げ入れられた放火未遂の可能性もあるとして捜査しています。
この建物では27日、国葬にあわせて献花台と記帳所が設置される予定です。
松野官房長官:「海外要人の警護態勢については、警察において警護の検証と見直しを踏まえつつ、情報収集・分析の強化・警戒警備の徹底など、各種対策を推進するものと承知しています」
安倍元総理が銃撃された事件について、警察庁は「警備員が適切に配置されず、後方の警戒が不十分だった」「警護計画に明らかな不備があった」とする報告書をまとめ、要人警護の運用方針を見直しました。
今回の国葬は、その見直し後、初めての大規模な行事です。
警察庁は、最大で2万人の警察官が警備にあたるとしています。
岸田総理は26日、IEA(国際エネルギー機関)のビロル事務局長を皮切りに、赤坂迎賓館で国や機関との代表との会談を連続して行う、弔問外交を始めました。
会談時間は1人原則15分で、26日は11人と会談。28日にかけて、30人以上と個別に会談予定です。
岸田総理は8月に国葬の閣議決定をした後、弔問外交への意欲を示していました。
ただ、G7(主要7カ国)の外国の首脳は全員不参加です。
唯一、出席する考えを示していたカナダのトルドー首相も、ハリケーン被害対応のため、直前に欠席を決めました。
政府関係者:「正直パッとするひとはいなくなっちゃった。意欲を見せてくれた人はいたけれど、エリザベス女王の国葬もあってね。ツキに見放されてしまった感じ」
政府関係者:「弔問外交で何かプラスにしようという皮算用が間違っている。安倍さんを慕っていた人が来るわけで、別にそこで岸田総理の考えを打ち出したりする場じゃないんだから」
唯一、G7の現職の首脳級での訪日となったのは、アメリカのハリス副大統領です。副大統領として初めての日本訪問となりました。
岸田総理:「本日は、ハリス副大統領と初めて会う機会となりました。安倍元総理は、我が国の外交安全保障の基軸である、日米同盟の一層の強化に心血を注いでこられました。その意志を引き継いで、外交的な遺産を発展させ、両国関係を一層発展させることが、私の務めです」
ハリス副大統領:「安倍元総理への敬意を示すため、代表団を率いて訪れました。安倍氏は、その指導力により、持続的で強固な日米の友好関係を築きました。バイデン大統領に代わって、お悔やみを申し上げます」
ハリス副大統領とは会談の後、総理主催の夕食会も行われています。
27日の国葬には、国内外合わせて4300人が参列予定です。政府は当初、参列者は最大で6000人を見込んでいるとしていました。
立憲民主党・山井和則衆院議員:「最終的な日本人と外国人の参列者数について、人数が減るようですけど、警備体制に変更があるのかどうか」
内閣府の担当者:「国内の招待者のうち、3600人程度、参列が見込まれる。海外から700人程度が見込まれる。合計4300人程度の参列が見込まれる。過去の参列者の数ですけれども、吉田元総理の際は約6000人の参列者、佐藤元総理の際は約6400人という記録が残っている」
日本共産党・宮本徹衆院議員:「3600人(招待状が)届いた6割が参加、4割が参加されない。国民の世論のなかで、国葬はいかがなものかということの反映もあるんではないか。なぜ参加がこの程度だったのかの分析は」
内閣府の担当者:「今回が特に少ないとは認識していない。案内状を差し上げて、個々の皆様がどういう判断で返信したか、当方で全体の要因的なことを説明するのは難しい」
国論を二分したままの国葬。前日になっても賛成派・反対派それぞれの活動が続いています。
安倍元首相の国葬を許さない会・藤田高景代表:「岸田総理が強行しようとしている安倍元総理の国葬は、いかなる観点からも全く正当性がありません。国民に対して『安倍元首相を追悼せよ』と強要することになりますから、日本国憲法が国民に保障する思想・良心の自由を侵害する違憲行為。断じて容認することはできません」
国会内で行われた集会には約300人が参加しました。
参加者:「国会で正規の手続きを経ないで国葬を決めたことに対して反対です。お金の問題も含めて、明らかにされない状態で進んできたので、抗議の声を上げないといけないと思います」
参加者:「国民の反対を押し切って挙行することに、非常な違和感をもっているわけです」
夜には、別の団体が主催する抗議デモが、新宿駅前で行われました。
一方、国葬に賛成する人たちによる賛成デモも行われました。東京都内で午後2時過ぎ、安倍元総理の写真が印刷された旗や、国旗を手に静かに行進しました。約200人以上が参加したといいます。
主催者は「反対の声だけではない」という姿を見せたかったと話しています。
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報道ステーションが17日と18日実施した世論調査では、国葬に賛成が30%だったのに対し、反対が54%と賛成を上回っています。
国葬の詳細が分かってきました。
27日午前11時に、会場の日本武道館が開きます。
受け付けは午後0時45分までで、それ以降、長い間参列することになります。
ただ、入場する時に飲み物などは持ち込みが禁止されているからか、水分補給用のペットボトルが配られるようです。
午後2時に国葬が始まります。
参列者は常にマスク着用し、全員指定席だということです。
式壇は、安倍元総理が愛したという富士山をイメージして、多くの花で作られます。
また、本人が着用していた議員バッジと、拉致被害者救出の思いを表すブルーリボンバッジも安置されるということです。
葬儀委員長の岸田総理、そして友人代表の菅前総理などによる追悼の辞があり、その後、献花が行われます。
遺骨が式壇から降ろされ、会場から出ていく際には、海上自衛隊によって東日本大震災のチャリティーソング『花は咲く』が演奏されるということです。
27日は交通への影響もあります。
首都高では27日正午ごろから、約9時間にわたって、広い範囲で通行止めとなり、会場周辺の一般道も午前9時ごろから午後9時ごろまで通行止めとなります。
電車は通常運行ということです。
都営バスは、一部の区間で、会場の最寄りの停留所を休止。京王バスは、一部の路線が終日運休となります。
その他でも、空港へ向かう路線などで、運休や大幅な遅延の可能性があるため、注意が必要です。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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