「強制収容の事実に現実味を持たせてくれる」強制収容された日系人の名簿が完成 80年前の「名前」が持つ意味|TBS NEWS DIG

「強制収容の事実に現実味を持たせてくれる」強制収容された日系人の名簿が完成 80年前の「名前」が持つ意味|TBS NEWS DIG

「強制収容の事実に現実味を持たせてくれる」強制収容された日系人の名簿が完成 80年前の「名前」が持つ意味|TBS NEWS DIG

第二次世界大戦中、アメリカで強制収容された日系人の名前をまとめた名簿が、初めて研究者らのグループによって完成しました。強制収容が始まってから実に80年が経過しています。

ロサンゼルスから車でおよそ4時間。マンザナー強制収容所は荒野の真ん中にありました。

記者
「強制収容所があった場所は環境が厳しく、今の時期は直射日光が強く、かなり乾燥しています」

80年前の1942年、日米開戦を受けて西海岸に住む日系人たちは「敵性外国人」とみなされ、例外なく強制収容所に送られました。

マンザナーでは、およそ1万人が生活した記録が残されていますが、強制収容所は各地に散らばっていて、送られた人の「総数」は分からないままだったのです。

アメリカ国立公園局 ローズ・マスターズさん
「マンザナーのような10か所の大規模な収容所には名簿がありましたが、小規模の収容所では名簿が作られませんでした」

名簿が作られなかった収容所は65か所にのぼり、基本的な情報であるはずの「総数」は「12万人以上」などと表現されてきました。こうした中、新たに名簿を作ろうという取り組みが…。

南カリフォルニア大学 ダンカン・ウィリアムズ教授
「例えばこれはニューメキシコ州のローズバーグ強制収容所の資料です」

名簿作りの中心となった南カリフォルニア大学のダンカン・ウイリアムズ教授が注目したのは、政府の名簿が存在しない収容所で日系人らが当時作った資料。これらを親族などから探し出し、足し合わせていきました。さらに、こだわったのが名前の正確さです。

南カリフォルニア大学 ダンカン・ウィリアムズ教授
「あのような排除や人種差別を繰り返さないために(名前を通して)個人を称えることで、アメリカでは誰もが平等な尊厳・人間性を有していると示すことが重要なんです」

政府が作っていた名簿も1人ずつ、公文書と照らし合わせるなどして確認。「カネハラ・ケンジ」と表記されていた人の名前が、実際は「キンジ」だったなど、次々に間違いが判明しました。

そして、3年がかりの地道な作業で名簿が完成、公開されました。記載された名前は総数12万5274人に。政府の名簿からは1万人以上の表記が修正されたと言います。

ウィスコンシン州に住むヴィクター・スドウさん。小さな収容所に送られた祖父・ノブヨシさんの名前が、今回、初めて名簿に記載されました。

ヴィクター・スドウさん
「(名前は)強制収容された事実に現実味を持たせてくれる。祖父は認識されています。敬意をもって扱われたと思います」

強制収容から80年。名簿には、アメリカの「負の歴史」を繰り返さない、という思いが込められています。

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