【雨不足】“塩害”でグアバ不作 「毎晩がこの世の終わり」パキスタン南部は洪水被害(2022年9月16日)

【雨不足】“塩害”でグアバ不作 「毎晩がこの世の終わり」パキスタン南部は洪水被害(2022年9月16日)

【雨不足】“塩害”でグアバ不作 「毎晩がこの世の終わり」パキスタン南部は洪水被害(2022年9月16日)

 世界各地で果物やコメに深刻な被害が起きています。その原因は、渇水によって引き起こされる塩害でした。

 実りの秋。しかし、人々の表情はさえません。

 パレスチナ自治区のガザ。収穫しているのは、果物の「グアバ」。

 去年に比べ「甘味が少ない」といいます。原因は酷暑による水不足ですが、単純ではありません。

 この農場は海に近く、地下水に「塩分」が含まれます。

 グアバ農家:「雨が不足したことで地下水が減り、そのため塩分の濃度が高くなりました。これが味などに影響します」

 雨が減ると塩分濃度が上がる。同じ原理でイタリアでは「コメ」がピンチです。

 アドリア海に面したポルト・トッレ。国内で最も長い「ポー川」が流れ、「水は潤沢」かとおもいきや。

 排水施設担当者:「今年はポー川が2カ月間にわたって干上がり、海水が川をさかのぼって入ってきます」

 ポー川ではこの夏、川底の「不発弾」が見つかるほど水位が低下。

 海に近い流域もいまだに大地がひび割れています。ここに海水が入れば、作物に良くないのは明白です。

 コメ農家:「収穫は6割ほど減りそうです。ご覧のように残っているのは、海水に浸かった土地とわずかな稲穂だけです」

 6割減どころでは、すまない地域も。

 水がいまだに引かないパキスタン南部のシンド州。

 14日、首まで水に浸かった男性が木々の間から、運んできたのは「バナナ」。

 一見、食べらそうですが。

 農場主:「このバナナを買ってくれるトレーダーはいません。動物でさえ食べないでしょう。内部が腐っています」

 シンド州では、パキスタン海軍が避難した住民らに救援物資を届けています。しかし…。

 避難した住民:「十分な支援ではありません。飲み水も子どもたちの食べ物もありません」

 日が暮れると、状況はさらに悪化。仮設テントでは大量の「蚊」や「ハエ」が飛び回っています。

 避難した住民:「毎晩がこの世の終わりのようです。子どもたちは蚊に刺されて病気になっている」

 何百人もが住むテント村で、蚊帳は数張りだけ。

 寝るのも、調理も、食事をするのも「屋外」です。

 避難した住民:「飲み水もなくて『洪水の水』を飲んでいます。一晩中うちわで子どもたちをあおぎ続け、日中はギラギラした太陽にさらされています」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

ANNnewsCHカテゴリの最新記事