ウクライナ快進撃“要衝の町”奪還 “プーチン氏辞任要求”に30議員署名(2022年9月13日)
ウクライナの反転攻勢を受け、ロシアが大きく揺らいでいます。専門家はロシアの核兵器使用について、「今までの中で一番近づいている」としています。
半年にわたりロシア軍に制圧された街で、笑顔と共にウクライナの国旗が掲げられました。
デルガチ地区長:「(彼女は)本日から通常の業務に戻ることになりました」
ウクライナ北東部で広がる歓喜の声。今、ハルキウ州でウクライナ軍の快進撃が続いています。
ゼレンスキー大統領:「9月初めから今まで我々の兵士は、ウクライナ東部と南部で6000平方キロメートル以上を奪還しました。そして反攻作戦は続いています」
9月に入った時点では、ハルキウ州の多くが赤で示されたロシア軍に制圧された地域でした。
ターニングポイントは6日です。ウクライナ軍はそれからわずか5日ほどでロシア軍の補給路につながる要衝イジュームを奪還。ハルキウ州の大部分を取り戻したのです。その面積は東京都の2.7倍に及びます。
奪還した地域に残されていたのは、ロシア軍の戦車や兵器です。ロシア軍の一部の兵士は、軍服を脱ぎ捨てて私服姿になり、地元住民に紛れ込んで逃走しているといいます。
わずか5日の“奪還劇”はなぜ成功したのでしょうか。専門家は、ウクライナ軍の巧みな作戦があったと指摘します。
防衛研究所・高橋杉雄氏:「ウクライナ側がロシア側をだました」「当然ロシアも人工衛星があるので、ハルキウ方面にウクライナ軍が集結していたのは分かっていた。分かっていたが本命はヘルソンだと頭が最初にできているから、判断するのは人間なので、人間がだまされてしまうと、衛星情報やサイバーの情報があろうと正確な判断はできない」「(Q.この展開は予想できた?)まったく予想はしていなかった」
世界を欺いたというウクライナの進撃を受けてロシア側は大きく揺らいでいます。
防衛研究所・高橋杉雄氏:「決定的な敗北を回避する目的での核使用。今までの戦争の展開の中で一番近づいている」
ウクライナ軍はわずか5日でハルキウ州の大部分を取り戻す快進撃をみせています。それを受けてロシア側は大きく揺らいでいます。
ロシア国防相はハルキウ州の部隊を再編制すると発表しました。この地域からの撤退を認めたものとみられます。
こうした動きにプーチン大統領の熱烈な支持者からも批判の声が。
チェチェン共和国、カディロフ首長:「最新情報を得ているが、具体的な説明がない」
プーチン大統領に忠誠を誓うチェチェン共和国のカディロフ首長。自身が指揮する部隊をウクライナに派遣するなど、ロシア軍を支援していますが、今回の戦略には不満があり、状況次第では直談判すると訴えました。
チェチェン共和国、カディロフ首長:「私は国防省のように戦略を考える専門家ではないが、今回間違えてしまったことがあると思う。今後、戦略の見直しをしてくれることを期待する」
そしてロシア国内でもプーチン大統領に逆風が。地方議会で反プーチンの動きが広がっているのです。
12日、サンクトペテルブルクの地方議員がプーチン大統領に辞任を求める声明を発表しました。そのなかで、「プーチン大統領の行動がロシアと市民の未来に害を及ぼすと信じている」と指摘。この声明にはモスクワなど、およそ30の地区の議員が署名しています。
専門家は“核の緊張”が軍事侵攻開始以来、最も高まっていると警鐘を鳴らしています。
防衛研究所・高橋杉雄氏:「核兵器を使う状況は大まかに2つあり得る。一つは『核兵器を使うことで戦争に勝つ』。もう一つは『核兵器を使うことで敗北を回避する』。少し前までの戦況は基本的に膠着(こうちゃく)状態で、核兵器を使ったからといって戦争に勝てる状態じゃなかった。今、ロシア側が地上軍にかなり打撃を受けた形で負けつつある。決定的な敗北を回避する目的での核使用という2つ目のパターンが、浮上する可能性というのが出てきていて、(核兵器使用の選択が)テーブルの上に載ったうえで、最後にプーチン大統領がどう判断するか。そう考える状況が今までの戦争の展開の中で一番近づいている」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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