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新型コロナ“第7波” 重症者減少も…死者数は依然高止まり 「抱えている持病に拍車がかかる」医師が語る新たな課題|TBS NEWS DIG
新型コロナの“第7波”では重症者の数は減っているのに、死者数が高止まりする事態となっています。いったいなぜなのでしょうか。
都内で訪問診療を行っている任医師は、今月に入り新型コロナの患者自体は減ったと言いますが…。
文京根津クリニック 任 洋輝 医師
「(コロナではなく)通常の依頼が増えてます。コロナにかかったあとに、体力が落ちて訪問診療の相談という方だったり」
コロナの治療を終えた高齢者からの依頼が増えているそうです。
この日は台東区の高齢者の元へ。
文京根津クリニック 任 洋輝 医師
「こんにちは。よろしくお願いします」
80歳の節子さん。認知症を患っていて、常に介護が必要です。8月上旬コロナに感染しましたが、熱がそこまで上がらなかったため入院はしませんでした。
医師
「ご飯とか全然食べなかったと聞きましたが」
夫
「(これまでの)半分ですね。ご飯らしいご飯食べないです」
介護する夫は「コロナが治った後がむしろ大変だ」だと話します。節子さんの体力が落ち、寝たきりになってしまったからです。
夫
「お母さん、トマトジュース飲もう」
認知症も悪化して、いまは会話もほとんどできなくなりました。
文京根津クリニック 任 洋輝 医師
「(コロナに感染した時は)熱もそんなに高くなくて酸素化も問題なかったが、やっぱり体力は落ちて、食事を認識することが難しくなって食事量が減ったり、最終的には進行するといわゆる生命維持活動自体ができなくなる」
“第7波”の特徴は第6波と比べると重症者は少ないものの、死者数が高止まりしている点にあります。
埼玉医科大学総合医療センター 岡 秀昭 教授
「(第7波では)ウイルスの肺炎を起こして亡くなるのではなく、例えば90代80代で衰弱している方が食事がとれなくなると水分がとれなくなって脱水等で腎臓が悪くなるとか、あとは意識レベルが悪くなるとか色々なことが起きて、元々抱えている持病に拍車がかかった」
岡教授は、“第7波”ではワクチン接種が進んだことでコロナの症状が軽く済んだとしても、感染したことで持病が悪化して死亡に至るケースが多くなったと言います。いまの分類ではコロナがきっかけで持病などが悪化したとしても、「コロナの重症者」には数えられません。
このことについて、岡教授は。
埼玉医科大学総合医療センター 岡 秀昭 教授
「ベッドの上でぐったりして呼びかけにも応じないという状態でも肺炎がない、そして人工呼吸器をつけない、ICUに入らないという状況であれば、報告としては軽症または中等(症)の報告になってしまう。ご高齢者が呼びかけに応じない、食事も取れない、水分も取れないという状況はイメージしていただくと決して軽くはない。今そういった方が亡くなっているということです」
重症者が減ってもコロナ感染をきっかけに死亡する高齢者をどう救っていくのか。新たな課題が浮き彫りになっています。
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