刃物襲撃で10人死亡 カナダ「先住民保護地区」の厳しい実情(2022年9月5日)
カナダ中西部の先住民保護区などで住民らが刃物で相次いで刺され、これまでに10人が死亡しました。男2人が現在も車で逃げていて、地元当局は非常事態宣言を出して警戒を呼び掛けています。
地元警察:「9月4日朝5時40分、ジェームズ・スミス・クリー・ネーションで刺されたと通報を受け、その後コミュニティーの様々な場所で刺傷事件が発生しました」
多くの犠牲者を出した現場は、カナダ中西部のサスカチワン州。その中部に位置する先住民保護地区など13カ所で事件は起こりました。
地元警察:「サスカチワン州のジェームズ・スミス・クリー・ネイションとウェルドンの13カ所で10人が死亡しているのが分かりました。さらに数人が負傷し、15人が病院に搬送されています。被害者の中には容疑者に狙われた人もいれば、無差別に襲われた人もいると考えています」
住民らを刃物で次々に襲ったとみられるのは、ダミアン・サンダーソン容疑者(31)と、マイルス・サンダーソン容疑者(30)。
2人は凶器を持ったまま現在も車で逃走していて、警察は顔写真を公開して行方を追うとともに、非常事態宣言を出して住民へ避難を呼び掛けています。
今回の事件が起こった場所は先住民保護地区を含みおよそ1200人が住んでいます。専門家によれば、カナダの人口およそ3700万のうち4.5%ほどが先住民にあたり、サスカチワン州には70の先住民グループが存在しているといいます。
国立民族学博物館・岸上伸啓教授:「70以上のリザーブ、居留地ないし保留地が存在するが、(居留地の)人口の半分以上、約6割はもう居留地を離れ、都市に住んで生活している。中にはホームレスになったりしている人もいるのが現状です」
その原因は保護地区にいる限り、仕事や資源が限られてしまうからだといいます。
国立民族学博物館・岸上伸啓教授:「サスカチワンだけの問題ではなくて、いわゆるカナダの先住民族が住んでいるリザーブ、保留地・居留地の中では失業とか十分な教育が受けられないとか、お酒の問題とか様々な社会問題・経済問題があるといわれている」
ニューヨーク・タイムズでは、事の始まりは小さな先住民コミュニティーで夜明け前に起きた言い争いが数時間で集団殺害」にエスカレートしたと伝えています。 (C) CABLE NEWS NETWORK 2022
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