“水位は史上最低を更新” アメリカで加速する「大規模干ばつ」 地下水の利用急増も|TBS NEWS DIG
シリーズ「現場から、」です。記録的な干ばつが続くアメリカ西部では、全米最大級のダムの水位が史上最低を更新するなど、深刻な水不足に見舞われています。
アメリカ西部に広がる、全米最大の人工貯水池ミード湖。ここで異変が起きていました。
記者
「ここから地面の色合いが変わってきまして、まだ水を含んでいますね…」
湖の水が減り続けているのです。周囲を歩くと。
記者
「みてください、ボートです」
湖に浮かんでいたはずの、いくつものボートが放置されていました。
記者
「いま立っているこの辺りも元々、湖でした。しかしかつては、あの境目まで水位は上がっていました」
地元の「水がめ」の現状に住民は不安を訴えています。
地元住民
「ミード湖はラスベガスの水源です。水は買わないといけなくなるでしょう。将来、水を巡り争う人々の姿を見るかもしれない」
減少し続けるミード湖の貯水量。およそ20年前の写真と比べると、一目瞭然です。こうした干ばつは、人為的要因による気候変動が影響していると見られています。
ミード湖とつながるフーバーダムの担当者は。
フーバーダム担当者
「約23年間の干ばつの結果、フーバーダムの背後にあるミード湖は貯水量が大幅に減少しています」
ほぼ満水だった2000年頃と比べて、水位は50メートル以上も下がっていて今年も史上最低を更新しました。さらに影響はこんなところにも。
フーバーダム担当者
「水位が950フィート(約290メートル)までは水力発電が可能です」
ダムの水位が下がり続ければ水の供給が難しくなるだけでなく、水力発電まで停止することになりうる危機的な状況が迫っているというのです。すでに去年8月アメリカ内務省は、4000万人以上に水を供給するミード湖を含むコロラド川水系の水不足を初めて宣言し、ダムの取水制限に踏み切っています。
それでも状況は悪化し続け先月、下流域への水の割り当て量を再び減らすことを決めました。こうした中で気になる動きが。節水の影響を最も受けるのがアリゾナ州。移住者が増え、大規模な農業開発も進むなど水の需要が急速に高まる中、井戸を掘る件数が過去20年間でおよそ65パーセント増えています。背景には水を確保したい思いもあるようです。
井戸掘削業者 ビリーワイズさん
「いくつかの地域では他の場所から水を購入するより、井戸を掘るほうがはるかに安い」
ただ、こうした地下水の利用の増加について専門家は。
アリゾナ大学水資源研究センター メグダル所長
「地下水は使われている速度では補充されていません。地下水への依存度が高くなるほど、補充されない貯水槽から水を使い続けることになります。 地上の水と地下水がつながっていることを、認識しなければなりません。それは水資源サイクルの一部です」
地下水の利用が、川など地上の水量にも影響を与えると指摘し、持続可能な水資源を維持するために管理が必要だと訴えました。大規模干ばつへの抜本的な対策が見い出せないまま、地上だけではなく地下の水を巡る動きも今後さらに活発になりそうです。
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