堺の母子殺害 夫を全国指名手配…勤務先に電話「骨折した休ませて」 ブラジルへ出国(2022年9月1日)
大阪府堺市のマンションで妻と3歳の娘を殺害したとして、警察はブラジル国籍の夫を全国に指名手配しました。しかし、男は勤務先に「骨折したから2週間ほど休ませてほしい」と伝えた日に、ブラジルへ出国していました。
■“犯行の残忍性”徐々に明らかに…
周囲を気にするようなしぐさをしながら店内を歩く、黒いキャップに赤紫色のTシャツ姿の男。ブラジル国籍のバルボサ・アンデルソン・ロブソン容疑者(33)です。
先月31日、大阪府警は殺人容疑でこの男の逮捕状を取り、全国に指名手配しました。
大阪府堺市のマンションで、バルボサ容疑者の妻・荒牧愛美さん(29)と娘・リリィちゃんを殺害した疑いが持たれています。
同じマンションの住民:「遊びに出掛けてるのか、とにかく駐車場のほうに向かって歩いて、3人仲良く歩いてるみたいな感じは見ました」「(Q.今まで家に関するトラブルは?)トラブル自体は、この辺では全く見てなかった」
傍目には、仲睦まじく見えたという家族。しかし、徐々に明らかになってきたのは、犯行の残忍性です。
事件は先月24日午前1時、愛美さんの父親からの「娘夫婦と、おととい(先月22日)の夕方から連絡が取れない」という通報で発覚しました。
警察と救急隊が駆け付けたところ、玄関の鍵が閉まっていたため、ベランダの窓を破って室内へ。そこで、仰向けに血を流した状態で倒れている2人を発見。その場で、死亡が確認されました。
愛美さんには多数の刺し傷が、リリィちゃんにも10数カ所の刺し傷があったといいます。
愛美さんの顔には殴られた痕、右腕には刺されるのを防ぐ際にできたとみられる防御創もあり、バルボサ容疑者ともみ合いになった末に刺された可能性があります。
■事件後不明…ブラジル“出国逃亡”
さらに、事件発覚の2日前、バルボサ容疑者が不可解な行動をとっていたことが分かりました。
バルボサ容疑者:「自転車で転び、病院に行かせてほしい」「骨折したから、2週間ほど休ませてほしい」
勤務先に「骨折したから休ませてほしい」と、2度にわたって連絡を入れていたというのです。
バルボサ容疑者の勤務先関係者:「(バルボサ容疑者は)元気がないような感じだったと。電話が遠かった。聞き取りにくかったと。病院なのかと聞いたら『自宅です』と言っていたみたいだ、本人は」
事件後、行方が分からなくなっていたバルボサ容疑者。その日の夜には、成田空港からブラジルに向けて出国していたことが分かりました。
大阪府警は今後、国際捜査も視野に入れています。
■日本に“身柄引き渡し”は可能?
しかし、すでに国外に逃亡した容疑者の身柄を、日本に引き渡してもらうことは可能なのでしょうか?国際犯罪に詳しい専門家は、次のように話します。
大澤孝征弁護士:「日本の場合も、アメリカとか何カ国かという、非常に少ない数の犯罪人引き渡し条約しか結んでないので。身柄の引き渡しを求めても、原則として自国民の保護っていうことを優先して。先方のブラジルは、こちらに身柄を引き渡してはくれないだろうと思います」
では、バルボサ容疑者を逮捕し、裁くことはできないのでしょうか?
大澤弁護士:「代理処罰といって、こちらで必要な書類を捜査書類関係を向こうに、捜査協力という形で送って。先方の国で、自国民の海外における重大犯罪ということで、処罰してもらうと。海外の国の法律制度にのっとって、処罰をしてもらうっていうことは可能だと思う」
(「グッド!モーニング」2022年9月1日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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