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電力不足解消のヒントにも? 透明なガラスで太陽光発電 その仕組みとは|TBS NEWS DIG
シリーズ「現場から、」です。ことしの夏は電力不足で節電が呼び掛けられましたが、その解決策につながるかもしれません。透明なガラスを使って太陽光発電をする技術の普及に取り組むアメリカの企業を取材しました。
晴れの日が多い、アメリカ西部カリフォルニア州。新築住宅にソーラーパネルの設置を義務付けるなど、環境への意識が高いこの地で、太陽光発電に新たな動きが起きています。
注目の技術はサンフランシスコ近郊にある会社で開発されました。
ユビキタスエナジー マイルズ・バー共同創業者
「このガラスはすべて実は太陽電池なんです」
無色透明で、普通のガラスと変わらないように見える窓。この窓ガラスで太陽光発電ができるというのです。
記者
「実際にこちらの窓が発電しているか、このプロペラを使って確かめてみたいと思います。窓から出ている電線とつないでみます。お!プロペラが回りました」
窓を外側から黒い布で隠してみると…プロペラは止まりました。これを可能にしているのがこの会社が開発した有機色素です。これが1ミリの1000分の1ほどの薄さで表面に塗られていて、太陽光の中でも、目に見えない赤外線と紫外線だけを吸収し、電気に変換しているんです。
ユビキタスエナジー マイルズ・バー共同創業者
「ビルや住宅の窓ガラスには熱を遮断するため表面にコーティングが施されていますが、それを独自の有機色素に変えました」
通常の太陽光パネルは設置するために広い場所が必要で、景観破壊もたびたび指摘されてきましたが、透明なガラスならそういった問題もありません。
また、発電量は通常の10分の1ほどですが、ビルの側面は屋上より設置面積がはるかに大きくなり、サンフランシスコで最も高いビルの側面を使った場合、屋上の20倍の発電が可能になるそうです。
ユビキタスエナジー マイルズ・バー共同創業者
「世界中で毎年約18億平方メートルのガラスが設置されています。これは、世界を100周するほどのガラスなんです。私たちはそのガラスがすべて電気を生み出すことができるのではないかと考えています」
土地が狭く、ビルが多い日本も重要な市場になるとみられ、7月には日本の大手企業に向けて新興企業の技術を紹介するイベントにも出展しました。
イベントに出席した人
「みんなが使いたいと思える見た目になっているのがすごいと思う」
「これからサスティナビリティ(持続可能性)が大事になってくるので、注目される技術だと思う」
この会社には日本のエネオスも出資していて、2025年からの量産化を目指しています。
クルマのガラスやスマートフォンの画面を使った発電への応用も期待され、身の回りのガラスが電気を生み出す未来がやってくるかもしれません。
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