「運転手が意識失っていた可能性」名古屋高速バス横転 事故の原因は?専門家解説(2022年8月22日)
名古屋の高速道路上で22日、バスが横転し炎上しました。この事故で2人が死亡、7人けがをしました。
事故を起こしたのは、愛知県小牧市に本社を置く『あおい交通』が運行するバスです。
午前9時55分に名古屋市の栄を出発し、愛知県庁前を経由して、名古屋高速道路を利用しました。県営名古屋空港に向かう途中の豊山南インター付近で事故が起きたということです。
バスには55歳の運転手1人と乗客7人が乗車していました。2人が亡くなっていて、そのうち1人はバスの運転手とみられています。また、後続車に乗っていた1人も加えた、7人が軽傷です。
現場は、片側2車線の直線になっています。分離帯にあるクッションドラムには、衝突した跡が残っていて、事故後の車体には右前方にへこみがあります。
◆元千葉県警交通事故捜査官で、現在は交通事故鑑定人の熊谷宗徳さんに聞きます。
(Q.事故はどうやって起きたとみますか?)
バスの右前が分岐の分離帯に乗り上げるように衝突したことによって、左側に横転してしまった事故だと思います。
倒れている位置が、分岐からそれほど離れていないので、衝突速度はそれほど速くなかったと思います。
右に思い切りハンドルを切って衝突していれば、斜めに入るような痕跡が残りますが、バスの写真を見ると、真っすぐ正面からズドンと入ったような痕跡なので、運転席近くの正面から突っ込んだように見えます。
(Q.あおい交通の社長は「出口を通り越しそうになり、ハンドルさばきを誤って分離帯に衝突し、横転したのではないか」と話していますが、どのように考えていますか?)
その可能性も十分考えられます。ただ、衝突する前の路面に“ブレーキ痕がない”“バスが真っ直ぐに衝突している”ことから、その可能性薄いと考えられます。
運転席の正面にぶつかるのであれば、本能的に危険を感じてブレーキを踏むと思いますが、ブレーキ痕がありません。
(Q.火災の原因は分かりますか?)
バスの最初の出火場所が前方でした。後ろから車が衝突して出火するのであれば、後ろから出火しますが、前から後ろに向けて火が回ってきています。そのため、バスが衝突して横転したことによって、バス単独の火災と考えられます。
(Q.運転手に関して、会社の話では、22日朝の点呼の時点で車両のチェックをしていて、アルコールチェックともに問題はなく、直近2年間の健康診断は正常範囲内で、重い持病もなかったといいますが、どう考えますか?)
分離帯が正面に迫って危険を感じたりした時は、本能的にブレーキをかけますが、ブレーキ痕が見当たりません。そのため、運転手は意識を失っていた可能性が高いと思います。
「バスがふらふらしていた」という証言もあり、居眠り運転を含む、体調不良が考えられます。中年になると、持病がなくても、急な疾患で体調不良になる可能性があります。例えば、脳疾患や心疾患が一番多い疾患です。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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