ユン大統領で変わる?日韓関係 戦後最悪の関係は改善する?【風をよむ】サンデーモーニング|TBS NEWS DIG

ユン大統領で変わる?日韓関係 戦後最悪の関係は改善する?【風をよむ】サンデーモーニング|TBS NEWS DIG

ユン大統領で変わる?日韓関係 戦後最悪の関係は改善する?【風をよむ】サンデーモーニング|TBS NEWS DIG

戦後最悪とまで言われるほどに悪化した日本と韓国の関係。新たなリーダーの誕生は解決の糸口となるのでしょうか。

■韓国大統領 北朝鮮に向けて経済支援提案も…

8月15日、植民地支配からの解放を記念する光復節の式典。韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は、北朝鮮に向けて、こう語りました。

ユン大統領(15日)
「北朝鮮が核開発を中断し、実質的な非核化に転換するならば、その段階に合わせて、北朝鮮の経済を画期的に改善できる大胆な構想を提案する」

これに反応したのが、金正恩総書記の妹、金与正氏でした。

金与正氏
「実現とはかけ離れた愚かさの極致」「我々は絶対に相手にしないー」

非核化を条件に、北朝鮮への経済支援を提案したものの、北朝鮮側から一蹴された格好に…。

■日韓関係 改善願うユン大統領

一方で、現在、「戦後最悪」といわれる日韓関係については、歴代大統領がたびたび言及してきた歴史問題も、批判は控え、関係改善に前向きの姿勢を示したのです。

ユン大統領(15日)
「日本は世界市民の自由を威嚇する挑戦に対抗して共に力を合わせて進まなければならない隣国です」

さらに、就任から100日を迎えた17日の会見でも、やはり日本との関係強化を訴えます。

■懸案の一つ「徴用工問題」は

裁判の行方に注目が集まる「徴用工問題」についても、日本側と衝突することなく原告が補償を受けられる案を検討中だと語りました。

戦時中、強制労働させられたとして、韓国人の元徴用工が日本企業に損害賠償を求めた裁判。

韓国最高裁(2018年10月)
「原告は旧日本製鉄に対する損害賠償請求権を行使することができる」

この問題を巡っては、日本側は1965年の日韓請求権協定で既に解決済みとしていますが、韓国の最高裁は、賠償を命じる判決を下しました。

■ユン大統領が関係改善に意欲的な理由とは?

日韓で懸案になっているこの問題について解決策を摸索するなど、関係改善に意欲的なユン大統領。辺真一(ピョンジンイル)氏は…

辺真一さん(コリア・レポート編集長)
「ユン大統領は一言でいうと親米・親日。安全保障の面では、日米韓の関係強化、この一点においては歴代大統領の誰よりも強い意志を持つ。経済の面でも、1970年代まで日韓関係を強化した、その結果、今日の経済基盤を築いた。そういう時代に戻したいという考えがある」

ユン大統領(15日)
「韓日関係を迅速に回復し、発展させます」

日韓関係の改善に前向きな姿勢を見せるユン大統領のもと、日韓関係が好転する可能性はあるのでしょうか―。

■「戦後最悪」の日韓関係

そもそも日韓が「戦後最悪」とまでいわれる状況になったのは、前任の文在寅政権下でした。

例えば、保守系の朴槿恵政権下の2015年に日韓が結んだ慰安婦問題の合意。韓国政府が設立する財団に日本が10億円程度の資金を拠出することでまとまりました。

岸田外相(2015年当時)
「これをもって日韓関係が新時代に入ることを確信している」

ところが、革新系の文在寅政権下の2018年、韓国は一方的に財団の解散を発表し、日韓合意は形骸化します。

さらに2019年、日本が韓国への半導体材料の輸出管理を強化すると…

文在寅大統領(2018年8月)
「加害者である日本が盗人猛々しく大口を叩く状況に黙ってはいない」

韓国はWTO=世界貿易機関に日本を提訴しました。

こうした文在寅政権による強硬な対日政策と相まって、国民の反日感情も高まりました。

文政権下の2022年1月、ソウル大学アジア研究所による調査で海外20か国・地域に対する好感度を聞いたところ、18位の中国、19位の北朝鮮を下回り、日本は最下位20位となったのです。

■ユン大統領で改善できる?

そうした中で、保守系として日韓関係改善を図るユン大統領ですが、与党の内紛などが響き、最新の支持率は就任当初の52%から28%にまで下落。

国会でも革新系野党が過半数を握り、政権運営は容易ではありません。

このような状況で日韓関係の改善は可能なのか?辺真一(ピョンジンイル)氏は…

辺真一さん(コリア・レポート編集長)
「過去3人の元大統領、就任当時はいずれも日韓関係強化を呼びかけていた。しかしうまくいかなかった。政権を担っていく上で、日本に歩み寄るよりも、毅然たる対応を取った方が国民の支持を受けやすい。それが李明博元大統領は竹島上陸という形で表れた。今、ユン政権の支持率が20%台、反日に転じる危険性もないとは断言できない」

前途多難が予想されるユン政権の今後。そのもとで日韓関係は、どうなるのでしょうか。

(「サンデーモーニング」2022年8月21日放送より)

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