「とにかくこの戦争が早く終わることを…」第二次大戦とウクライナ侵攻に家族が引き離された男性の願い|TBS NEWS DIG

「とにかくこの戦争が早く終わることを…」第二次大戦とウクライナ侵攻に家族が引き離された男性の願い|TBS NEWS DIG

「とにかくこの戦争が早く終わることを…」第二次大戦とウクライナ侵攻に家族が引き離された男性の願い|TBS NEWS DIG

NO WARプロジェクト「つなぐ、つながる」です。第二次大戦、そして今年のロシアによるウクライナ侵攻と二つの戦争に翻弄された日本出身の男性がいます。再び家族と離れ離れになった男性の願いとは。

今月5日、北海道旭川市で行われた盆踊り大会。それを熱心に撮影している男性がいます。

ウクライナから避難してきた降籏英捷さん(78)です。

降籏英捷さん
「とっても綺麗ですね。楽しいです。(Q.写真を送るんですか?)ジトーミル(の孫や仲間)に送ります」

降籏さんの孫とその家族は今、ウクライナ西部ジトーミルにいます。

第二次世界大戦の終戦時、2歳だった降籏さんは樺太=今のサハリンに住んでいました。終戦直後のソ連軍の侵攻で一家は帰国を認められず、ソ連に残ることになりました。

結婚して妻の実家のあるウクライナに50年ほど住んでいましたが、今年3月、自宅のあるジトーミルがロシア軍による爆撃を受けます。そして、孫の家族や孫娘とともにポーランドに脱出。

降籏英捷さん
「治安の良いところに連れていって、戦争が終わるまでそこに住んでほしいです」

その後、兄や妹がいる北海道に身を寄せました。降籏さんは帰国できないまま亡くなった両親への思いもあり、日本に残ることを決断しました。

一方、ウクライナには孫が残っていて、その妻のインナさんは夫を心配しています。

降籏さんの孫の妻 インナさん
「夫や家族が恋しい。ソフィアは毎日思い出して、『パパがいない』と言うんです」

避難しておよそ1か月、インナさんは妊娠していることがわかりました。悩み抜いた末、ウクライナに戻って出産することを決めました。

降籏さん、ひ孫のソフィアちゃんともお別れです。

ソフィアちゃん
「いっちゃった」

降籏英捷さん
「虫さんはおうちに帰っちゃったんだね」

それからおよそ3か月。私たちはジト―ミルで暮らすインナさんたちを訪ねました。

降籏さんの孫のデニスさん(30)。妻と子を日本に残すべきか悩みましたが、ジトーミルが比較的安全なうえ、妊娠初期に出血したインナさんをかかりつけの医師に診てもらうためにも、ウクライナに呼び戻す決断をしました。

降籏さんの孫 デニスさん
「生まれてくる子のことを優先して考えました。妊娠時に問題があったので」

降籏さんの孫の妻 インナさん
「体調は大丈夫です。必要な健康診断、検査はここで受けられます」

インナさんの出産予定は11月。ただ、それまでに戦争が終わる気配はありません。

降籏さんの孫 デニスさん
「元気な子が生まれて、新しい強くて戦争のない国で育ってほしい」

降籏英捷さん
「ベリーを食べています」

この日、降籏さんはデニスさんたちから最近送られてきた動画を見せてくれました。自分が樺太に残されたときと同じ2歳のソフィアちゃん。戦争がなければそのまま近くで暮らしていたはずでした。

77年前も今も、戦争で家族が引き離され、子どもたちの運命が翻弄されるのは変わりません。

ウクライナから避難 降籏英捷さん
「子供たち、一般の罪のない人が亡くなっていて、多くの町が破壊され心が痛みます。とにかくこの戦争が早く終わることを祈っています」

その日はしかし、まだ見えてきません。

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