“入院できている人は1割もいない”重症患者も施設で治療せざるを得ず “第7波”で病床のひっ迫続く|TBS NEWS DIG

“入院できている人は1割もいない”重症患者も施設で治療せざるを得ず “第7波”で病床のひっ迫続く|TBS NEWS DIG

“入院できている人は1割もいない”重症患者も施設で治療せざるを得ず “第7波”で病床のひっ迫続く|TBS NEWS DIG

新型コロナの“第7波”による医療の危機的な状況が続いています。病床の使用率が50パーセントを超えた自治体は、39都府県に上っていて、重症の高齢者が、入院できず、施設で治療せざるを得ない事態も生じています。

東京・板橋区で訪問診療を行っている鈴木陽一医師(53)。

この日訪れた区内の高齢者施設で診ていたのは、80代のコロナ患者の女性です。

鈴木医師
「ねむい?大丈夫?お薬入るよ」

ベットに横たわり、酸素呼吸器を使った状態の女性。

鈴木医師
「89%か…」

血液中の酸素の値は、呼吸不全に陥っている可能性があるとされる90パーセントを下回っていますが、一時は79パーセントにまで低下していたということです。女性は「重症」とみられるケースだといいますが、近くの病院の病床が埋まっていて結局、施設で治療を続けざるを得ませんでした。

板橋区医師会 板橋区役所前診療所 鈴木陽一医師
「残念ながら、やっぱり非常に虚弱な方が感染して、それをきっかけに容体が悪化して、体力を落として亡くなっていく方も、実際には今回の第7波で経験しています。高齢者が入れるような、ケアがしてもらえるような施設がもっともっと、数があればいいけれども、こちらも今いっぱいいっぱい。高齢者で病気がいろいろあってハイリスクであっても、入院できている人は1割いない」

厚労省によりますと、全国の直近1週間の平均の感染者数は今月9日時点で21万人余りで、前の週と比べて1.05倍となり、感染が拡大する速さは徐々に落ち着きを見せ始めています。

しかし、内閣官房のまとめでは、病床の使用率が50パーセント以上となった自治体は今月9日の時点で全国39都府県に上るなど、医療の深刻な状況は続いています。

きのう開かれた専門家組織の会合では、コロナは発症してから数日後に症状が悪化するケースが多いとして、今後、重症患者が急増し、医療体制がさらにひっ迫する可能性に危機感が示されました。

厚労省アドバイザリーボード 脇田隆字座長
「新規感染者の急増から遅れて重症者・死亡者が増加しており、特に死亡者は第6波のピークに近いレベルまで急上昇しており、今後、死亡者はさらに増加することが懸念されます。医療提供体制への影響を含め、最大限の警戒感をもって注視していく必要がある」

きょう東京都で新たに確認された感染者は、3万1247人。先週から4000人減りましたが、いまだ3万人を超えています。

鈴木医師は必要な治療が行き届かない患者をこれ以上増やさないためにも、軽症者の健康観察の簡素化など、医療機関の負担を減らす体制を早急に整備するべきだと訴えます。

板橋区医師会 板橋区役所前診療所 鈴木陽一医師
「診察や健康観察を少し、本当に少しでもいいんです、ちょっと余裕があるだけでも、そういうふうに悪い結果になってる人が多く減るんじゃないか。『第7波が収束したら始めます』というふうに言わずに、どんどんできることから変えていって欲しい」

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