【終戦企画】「憎しみを伝え続けるのはやめるべき」  中国人の祖父から日本人の孫へ伝えたこと|TBS NEWS DIG

【終戦企画】「憎しみを伝え続けるのはやめるべき」  中国人の祖父から日本人の孫へ伝えたこと|TBS NEWS DIG

【終戦企画】「憎しみを伝え続けるのはやめるべき」  中国人の祖父から日本人の孫へ伝えたこと|TBS NEWS DIG

NO WARプロジェクト「つなぐ、つながる」です。

日中戦争のきっかけとなった盧溝橋事件から、今年で85年。戦争の記憶と向き合おうと、日本人の女子大学生が訪れたのは、中国人の祖父のもとでした。

北京大学に留学 芦川美奈さん
「こんにちは、よろしくお願いします」

大学3年生の芦川美奈さん(21)。去年秋から中国の名門、北京大学に留学し、中国の政治やジャーナリズムについて学んでいます。

北京大学に留学 芦川美奈さん
「一番印象に残った授業が『マルクス主義的ジャーナリズム』という授業があったのですが、国の立場に背いてはいけないみたいな、自分たちの立場をはっきり言わないといけないのは、ルールとしてあるというのは面白かった」

日本人の父と中国人の母を持つ彼女が中国で感じたこと。

北京大学に留学 芦川美奈さん
「日中戦争、日本が中国にどのようなことをしたのかについては、日本ではあまり聞いたことはないのですが、中国ではけっこう、日本人が中国でしたことについては、皆が知っている」

国営テレビ
「1937年7月7日夜、日本の侵略部隊が『盧溝橋事件』を起こし…」

日中戦争の発端となった盧溝橋事件から85年を迎えた先月7日、中国では日中戦争に関する報道が相次ぎました。

友人と食事をした時も、戦争が話題になりました。

芦川さん友人 楊さん
「日本に旅行して回った時、多くの日本人は中国がなぜ反日なのか理解していなかったよ。でも、僕たちは小さいころから(旧日本軍がやったことを)教わってきているんだ」

過去の戦争について、自分は知らなすぎるのではないか…

盧溝橋にある「抗日戦争記念館」を芦川さんは自ら訪れ、当時の生々しい写真を目にしました。

北京大学に留学 芦川美奈さん
「戦争によってすごく被害をもたらしたし、日本人がしたこと、すごく酷いことしてしまったということが分かって、申し訳ない気持ちになりました」

芦川さんは中国人の祖父のもとを訪れました。

張行逵さん、85歳。旧日本軍の侵略により6歳の時、故郷、山東省を逃れています。

芦川さんの祖父 張行逵さん
「母は4人の子どもを連れて逃げることになり、当時は住むのも食べるのも大変だった。知らないだろうけど、子どものころ、学校に行く路上には、たくさん飢えた人たちがいた。そこら中に」

亡くなった兄弟もいたという祖父に当時の日本人に対する思いを聞きました。

北京大学に留学 芦川美奈さん
「子供のとき、日本人についてどう思っていたの?」

芦川さんの祖父 張行逵さん
「日本人ではなく日本兵のことだね。日本兵は…嫌いだったね。態度が」

「日本兵は嫌いだった」。祖父は、こう話しましたが、近所で暮らしていた日本人については。

芦川さんの祖父 張行逵さん
「生活が苦しかった私たちに、本当に良い食べ物をくれたんです。だから日本兵のことは怖かったけど、日本人に対する印象は良かったよ」

祖父が初めて明かした戦争当時の話。そして、日本人である孫にこう語りかけました。

芦川さんの祖父 張行逵さん
「次の世代に憎しみを伝え続けるのは、やめるべきなんだよ。孫のあなたがそうであるように、日中の若い人たちが過去を受け止め、世代を超えて親しみを持って接してほしい。戦争なんて残酷なだけ。日中友好のためになることをもっとやらなければならないよ」

「憎しみを伝え続けるのは、やめるべき」。戦争を知る世代として、若い世代に「過去を受け止め、友好を」と訴えました。

間もなく日本で就職活動を始める芦川さん。祖父の話を胸に、両国が互いに理解を深めるため、役立つ職業を目指しています。

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