都内に残る地下壕を3D映像で再現する学生たち “歴史の教科書のような役割を果たしたい”|TBS NEWS DIG
NO WARプロジェクト つなぐ、つながるです。先の大戦中につくられた地下壕が東京都内に残ります。学生たちが今、それを3D映像で再現しようしています。そのワケとは。
東京・八王子市に今も残る地下壕。5月下旬、そこに学生達の姿がありました。
学生
「撮影始めます」
暗闇の中での撮影。彼らはこの地下壕を3D映像で再現しようとしているのです。
ここは浅川地下壕と呼ばれ、先の大戦中、戦闘機のエンジンを作る地下工場で、住民の防空壕でもありました。全長はおよそ10キロ。土砂が流れ込むなどして、今はおよそ1キロしか立ち入ることができません。
そこで学生たちは地下壕を3D映像で保存しようというのです。撮影は特殊な機材を使い、これまで7回にわたって行ってきました。
彼らは東京高専の学生です。専用のソフトで3D映像に仕上げていきます。
東京高専 機械工学科 馬渡大明さん
「元データでは俯瞰でしか見られないような状態ですが、自分の視点で見たような臨場感を出す編集をしています」
自分が実際に歩いているかのように暗さや水蒸気が舞う様子がわかります。この段階では、壁と地面に色はついておらず質感はわかりませんが、地下壕の高さや凸凹している様子もわかります。
先月24日、完成した3D映像を披露することになりました。夏休みの子どもたちがゲームのコントローラーで操作します。映像には足音もつけました。壁や地面に色が付き、質感が細くわかるようになっています。
奥へと進んでいくと…画面右下に「しらべる」のボタンが。再現したこの機械は、戦闘機のエンジンを作るためのものです。地下壕を掘る際に使った支柱用の木材。赤い丸の部分は当時ダイナマイトを使って掘削した跡で、今も残っていることがわかります。
体験した子どもたちは…
小学6年生
「教科書は文字とかで見ていて実感したということはないですけど、3Dでやることで実感がわくのでいいのかな」
制作した学生たちは…
東京高専 機械工学科 羽野蒼一郎さん
「現状、自分たちがいないと(3D映像を)誰も触れられないような状態になっているので、ウェブ上で公開したりして、誰でも浅川地下壕について興味を持って知っていただけるような状態にしていけたらなと」
いずれこの3D映像が歴史の教科書のような役割を果たしてほしい。彼らはそう話しました。
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