「本来は助かるべきだった命が、目の前で亡くなる」コロナ患者急増で救急医療は崩壊 現役救急隊員の訴え|TBS NEWS DIG

「本来は助かるべきだった命が、目の前で亡くなる」コロナ患者急増で救急医療は崩壊 現役救急隊員の訴え|TBS NEWS DIG

「本来は助かるべきだった命が、目の前で亡くなる」コロナ患者急増で救急医療は崩壊 現役救急隊員の訴え|TBS NEWS DIG

“第7波”によるコロナ感染者の急増に伴い、症状の軽い患者が救急医療に殺到する事態となっています。現役の救急隊員がJNNの取材に応じ、医療の現状について「崩壊寸前だ」と訴えました。

現役の救急隊員
「救急車の台数がどんどんどんどんなくなって、救急車が到着まで行き届かずに亡くなってしまう方がいます。とても使命感だけでやっていけないぐらい、しんどい」

救急医療の厳しい現状をこう打ち明けるのは、関東圏内の消防署で働く、現役の救急隊員の男性。今回、匿名を条件として特例的にJNNの取材に応じました。

男性は“第7波”以降に急増した軽症者の搬送要請で、「救急医療は崩壊寸前だ」と訴えます。

現役の救急隊員
「保健所に繋がらないから119番通報すればいいという考えに変わる方が多くて、病院を引き上げたと同時にまたすぐに出場がかかる。薬が欲しいだけとか、PCR検査を受けたいとか そういった理由だけで呼ばれる方がすごい多い」

ひとつひとつの対応に追われ、緊急性の高い患者に「適切な医療が提供できていない」と漏らす男性。救急車の数が不足し、搬送が間に合わなかったこともあると悔しさを滲ませます。

現役の救急隊員
「現場に着いたらもう(患者が)心肺停止状態に陥ってしまっていて、本来は助かるべき命が目の前で亡くなってしまって。あと1、2時間早く着けば助けられたはずなのに、ものすごく悔しい気持ちです」

例えば、130万人を超える人口を有し、都心のベッドタウンとして発展してきたさいたま市では、救急搬送された人のうち、「軽症」の患者が占める割合は、“第6波”の今年2月は5割程度だったのに対し、“第7波”では6割に増加しています。

こうした状況は、さいたま市だけではなく、全国各地で生じています。

一方で、救急患者の搬送先がすぐに決まらない「救急搬送困難事案」は、7月31日までの1週間で全国で6300件を超えるなど、救急医療のひっ迫は深刻化しています。

こうした事態を受け、日本救急医学会などは今週、重症化リスクの高い人などの治療を優先するため、症状が軽い人には受診や救急車の利用を控えてほしいとする声明を発表しました。

日本プライマリ・ケア連合学会 大橋博樹副理事長
「救急外来のひっ迫や発熱外来のひっ迫、さらには救急車利用の拡大による救急要請に対応できない事案が発生しており、まさに危機的な状況。65歳未満で基礎疾患や妊娠がなければ、慌てて検査や受診をする必要はありません」

助かるはずだった命を、救うことが出来ない事態に陥っている今回の“第7波”。救急医療への殺到を防ぐための国による明確なメッセージが求められています。

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