社会経済活動との両立どうする? “第7波”収束後に「2類相当」見直し検討へ 医療現場からは「負担が増す」 慎重な意見も 新型コロナ|TBS NEWS DIG
感染症法上「2類相当」としている新型コロナ。政府が、“第7波”の収束後に分類や感染者の「全数把握」などを本格的に見直す議論に入ることがわかりました。ただ、岸田総理自身は慎重な発言を繰り返しています。なぜでしょうか。
新型コロナは感染症法上「2類相当」にあたり、治療費などが公費負担である一方、医療機関などが全ての感染者の情報を届け出なければならず、医療提供体制のひっ迫の一因となっています。専門家や自治体からは季節性インフルエンザと同様の「5類」に見直すべきとの意見が出ていて、政府も“第7波”後に分類の本格的な見直しを検討しています。ただ、政府内には拙速な議論を避けたいとの声も…
政府関係者
「開業医の高齢医師は反対するだろうな…。今は基本的に(コロナ患者の)面倒みなくて良いから」
こういった医療界への配慮があるのでしょうか。
岸田文雄総理大臣
「今、感染が拡大している、この、このタイミングにおいて感染症法上の位置付けを変更するということは考えていない」
きのう、岸田総理は言葉を選びながら、「専門家の意見を聞きながら、丁寧に検討を行っていく」と繰り返しました。
政府は、現在の“第7波”がピークアウトした後、重症化リスクなどのエビデンスを2週間程度収集し、早ければ今月下旬にも本格的な検討に入る考えです。
一方で、医療の現場からは見直しに慎重な意見が上がっています。
「失礼します」
東京・品川区にある昭和大学病院。
医療スタッフ
「咳とか、たんとかないですか。熱は」
新型コロナ患者
「熱はあの日だけで大丈夫です」
この病院では“第7波”の感染が拡大した先月以降、院内スタッフの感染も増えているほか、次々と入院してくるコロナ患者の発生届を書くなどの事務作業にも追われています。
昭和大学病院の相良院長は、感染者の把握を止めることは事務作業など業務の軽減につながるとする一方、「2類の見直し」によって、かえって医療の現場で負担が増す可能性についても指摘します。
昭和大学病院 相良博典 院長
「発症者というのが直ちに把握することができなくなってしまうということもありますし、あるいは市中での感染っていうのは当然ながら広がっていく。今、非常にかなり蔓延してきている中で、やはり、そこのところの院内、あるいは医療機関の感染の広がりっていうのはおそらく出てくる」
そのうえで、現在のオミクロン株の特性などを踏まえれば、当面の間は治療費の公費負担などは続けるべきだと強調しました。
昭和大学病院 相良博典 院長
「医療費の負担がかなりかかってくる可能性がありますので、そうすると受診される方たちというのは、おそらく減ってくる可能性がある。季節性インフルエンザと同等ということで言うと、例えば重症化率がどうなのかっていうことを、やはり考えておかなければいけない。やはりコロナウイルスにかかった方のほうが割合が高いわけです」
一方、コロナで大きな影響を受けている航空会社などからは、分類の見直しが進むことに期待の声も上がります。
日本航空 菊山英樹 専務
「合理的・科学的な感染対策を実行するという観点に立って、5類の問題に限らず、あらゆる検討を実行していただきたい」
また、飲食業界からは…
グローバルダイニング 長谷川耕造社長
「業界全体のなかでも、人手不足など普段から苦労している。5類に下げるのは、なるべく早くした方がいいと思う」
こう話すのは「グローバルダイニング」の長谷川社長です。去年、東京都からの時短営業の要請に応じず営業を続けるなど、コロナ対策として行動規制することにそもそも懐疑的な立場です。
濃厚接触者の自宅待機がなくなるなどの見直しが行われれば、アルバイトのシフト調整などがスムーズになると期待します。
グローバルダイニング 長谷川耕造社長
「受けてしまった傷を回復していくのは大変。そのスタートが5類への指定だと思う」
コロナの感染増加では、郵便局が閉鎖に追い込まれるなど社会経済活動にも影響が出ていて、企業は見直しの議論の行方を注視しています。
▼TBS NEWS DIG 公式サイト https://ift.tt/qNkpVQf
▼チャンネル登録をお願いします!
http://www.youtube.com/channel/UC6AG81pAkf6Lbi_1VC5NmPA?sub_confirmation=1
▼情報提供はこちらから「TBSインサイダーズ」
https://ift.tt/34evyVR
▼映像提供はこちらから「TBSスクープ投稿」
https://ift.tt/sMYVzX7
コメントを書く