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感染拡大で大阪は再び「赤信号」 東京では銀行など社会インフラにも影響(2022年7月27日)
各地で感染の急拡大が続く新型コロナウイルス。警戒レベルが「最高」に引き上げられた大阪では、高齢者に不要不急の「外出自粛」を要請しました。一方、曜日最多となる2万9036人の感染が確認された東京では、スーパーや銀行など「社会インフラ」にも深刻な影響を及ぼし始めています。
信号は、およそ3カ月ぶりに赤に変わります。
大阪府・吉村洋文知事:「大阪モデルの赤信号の基準である病床使用率の50%。これに本日達するという状況にありますので、大阪モデルの赤信号を点灯させます」
26日、2万5000人を超え、過去最多を更新した大阪府。独自基準である大阪モデルを、非常事態を示す「赤信号」に引き上げます。
大阪府・吉村洋文知事:「医療が非常に厳しいという状況のなかで医療非常事態宣言も出すという判断をする」
病床使用率が50%に対し、10日までは緑だったレベルは、わずか17日で赤となりました。
行動制限も呼び掛けられます。ただ、ある年代です。
大阪府・吉村洋文知事:「高齢者の皆さんが自分の身を守るという観点から、生活や健康維持のために必要なものを除いて不要不急の外出を控えて頂きたい」
重症化リスクが高いとされる高齢者への外出自粛の要請です。
高齢者限定の行動制限。当の高齢者はどう思うのでしょうか。
70代:「困ります。まだ働いてる。そういう関係で収入がなくなる。年金が少ないので働いてるんですけど」「基礎疾患があって心配だったらそういうことしない。でも私元気だし、年齢はいっているけど何ともないし。感染予防しているから納得いかない」
80代:「当然やと思いますよ。だから用事のない時は出ないようにしていますから」
飲食店の時短要請や、他の世代への外出自粛などは呼び掛けないとしています。若い世代へは、「オンライン診療」も強化するとしています。
大阪府・吉村洋文知事:「非常に症状も軽い人は発熱外来の診療所は逼迫(ひっぱく)しているので、そちらではなく別のルートを確保することが重要」
病床使用率が大阪と同じ数字となっている東京都。保健所も未経験の領域に入りました。
保健所職員:「今ですと1500件くらいの届け出が来ている。今まで経験したことないくらいの件数が来ている」
東京都港区の保健所です。第6波では最大910件だった発生届け。先週には1500件となりました。ただ、これまでとは様子は違います。
落ち着いた対応を見せる“逼迫しない”保健所。その理由とは。
みなと保健所地域医療連携担当・二宮博文課長:「ここ2年以上コロナ対策を続けているなかで、色々な工夫をしながら取り組んでいるのでパンクしている状況でない」
去年1月の同じ保健所の様子です。当時も職員は電話対応に追われていました。一日の発生届はおよそ160件。職員は悲鳴を上げていました。
みなと保健所・新井久子保健師(当時):「優秀な職員が本当に頑張っているけど、それでも限界を超えている」
あれから1年半。一日の発生届はおよそ10倍の1500件となりました。それでも逼迫しなくなった理由はどこにあるのでしょうか。
人材派遣や他の部署からも応援に入り、職員を増員。さらに、電話対応するフロア…。
以前は講演などを行っていた場所に、事務処理するスペースを増設。役割分担を明確にしました。メールを活用するなど、デジタル化も促進しました。
みなと保健所地域医療連携担当・二宮博文課長:「区内の医療機関で8、9割が『HER-SYS』(ハーシス)。電子入力をして発生届が届いてきている。それが以前だとファクスでの発生届が非常に多かったので、そういったところがスピードアップにつながっている。深夜まで業務がずれこむことはほとんどなくなっている」
重症化リスクの高い人を「トリアージ」するノウハウも積み重なってきました。
みなと保健所地域医療連携担当・二宮博文課長:「重症化リスクが高い人の発生届を速やかに保健師、医師が確認をして、その人や医療機関に連絡することを徹底している」
ただ、ピークの見えない状況に不安はぬぐえません。
みなと保健所地域医療連携担当・二宮博文課長:「(今後発生届が)3、4倍になった場合、この体制で持つのかというのは正直不安なところはありますが頑張っていきたい」
感染拡大の影響は、交通インフラにも及んでいます。
JR九州は27日から一部の特急を運休させています。運転手や車掌らおよそ1900人いる乗務員のうち、およそ2%が感染または濃厚接触者となりました。
関東も状況は同じです。
荻窪駅などを発着する関東バスは、阿佐谷営業所の運転手132人中9人が感染。5人が濃厚接触者となりました。通常ダイヤに戻るめどは立っていません。
町のスーパーにも、感染拡大の影が落ちていました。
都内にあるスーパー。27日朝も欠勤の報告がありました。
生鮮市場アキダイ・秋葉弘道社長:「パートさんが濃厚接触者になったみたいで、お休みになりました。地域のお客さんに迷惑を掛けてしまうので本当にそれ(休業)だけは避けたいなと。ギリギリで回している状況なので厳しいですね」
現在2人が濃厚接触者などで欠勤。普段は2人で回す果物コーナーも1人で回しています。人繰りは綱渡りが続きます。
生鮮市場アキダイ・秋葉弘道社長:「ここの最後の方のシフトのスタッフが濃厚接触者として休みになっているので、夕方の(スタッフ)3人のうち1人は食品の品出しをしながらレジにも入る状況。現実レジとして1人しかいない。多い店では(欠勤が)3人4人出ているお店もあるので」
在宅でできる仕事でもなく、レジを閉める店もあるそうです。バイトを募集するも、まだ追いつかない状況です。
生鮮市場アキダイ・秋葉弘道社長:「レジ3台あったら3台動いていなかったら、もう1台開けろよって気持ちになる。でも人数が足りていない時はどうしたらいいんだろうって頭が痛い。普通あり得ないことが今起きています。トイレに行けない、(お昼)休みが取れない」
影響は“銀行”にも及んでいます。
都内の銀行では行員に感染者や濃厚接触者が出たため、昼の1時間、窓口の業務を休止にしました。
紀陽銀行東京支店・金谷崇史支店長:「全体で112の支店があり、全体の中で職場に出てこられない人が足元では非常に増えてきている」
第6波の時も実施され、今回で5回目です。客の感染リスクを減らす狙いもあります。
紀陽銀行東京支店・金谷崇史支店長:「客により時間がかかる人もいるので、そういう人が何組か続くと非常に長く待つことになるので厳しい。お客様ならびに行員の感染リスクを控える、こちらを並立させる。そのなかで金融インフラを維持するという強い使命を履行するため」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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