スルメイカ 普段の4倍「1杯1000円」ロシア水域“拿捕の危険”も…(2022年7月27日)

スルメイカ 普段の4倍「1杯1000円」ロシア水域“拿捕の危険”も…(2022年7月27日)

スルメイカ 普段の4倍「1杯1000円」ロシア水域“拿捕の危険”も…(2022年7月27日)

 今の時期、旬を迎えるスルメイカですが、今年は普段の4倍となる「1杯1000円」で販売される異常事態となっています。この高値の背景には、緊迫した状況が続く「ウクライナ情勢」が関係しているといいます。一体どういうことなのでしょうか。

 今が旬、「夏イカ」とも呼ばれる「スルメイカ」

 北海道では、6月からスルメイカの水揚げが始まり、夏場にピークを迎えます。ところが、今年は不漁です。

 スルメイカ漁師:「あんまりたくさん取れなかった」「去年より一段と小さい気がする」

 函館直送のスルメイカを扱う、都内の海鮮料理店でも不漁の影響が…。

 夏に大人気だというメニューは、いけすからすくった活きのいいスルメイカをその場でさばく新鮮なお造り。

 しかし、肝心のイカが「全く足りていない」大ピンチです。

 いけす無門・関根康弘副社長:「20杯注文しても(入荷は)10杯とか5杯とか、その日に限っての入荷になるのでかなり厳しい状況」「(Q.仕入れ値は?)仕入れ値がここ2、3年特に高騰して、高値安定している」

 魚の街、東京・築地でも、いかんともしがたい緊急事態に。「夏の味覚」イカが、ほとんどありません。

 斉藤水産・統括責任者、斉藤又雄さん:「(スルメイカは)量も今少ない、値段も高い」「これは冷凍したスルメイカ、ご覧の通り型も小さい」「(Q.これでいくら?)(2杯で)2000円で売らないと仕入れに合わない。普通だったら2杯で500円くらい」

 仕入れ値の高騰を受け、例年の4倍にあたる1杯1000円の高値で販売せざるを得ないといいます。

 ここ数年、スルメイカの不漁が続いていましたが、実は今年は、さらに追い打ちをかける出来事が。

 ロシアによるウクライナ侵攻です。

 石川県漁協小木支所・白坂武雄参事:「ロシア水域に去年数年ぶりに入って、ある程度の漁獲はあった。まさか、このロシア水域の問題が出てくるとまでは想像していなかった。漁師にとって大きな打撃」

 これまで日本のスルメイカ漁は、ロシア水域でも行われてきました。

 「日ロ漁業交渉」に基づき、日本の「排他的経済水域」を超え、スルメイカが多く取れロシア水域に入れるよう協議されてきましたが、ウクライナ情勢の影響で…。

 石川県漁協小木支所・白坂武雄参事:「交渉は妥結していたが、それ以降の手続きができない状態。ロシアからの正式な許可が出ていないので、当然、違法操業。今入れば拿捕(だほ)される。日本とロシアが以前のように仲良くなってくれれば一番良いが、現状ではかなり厳しい気はする」

 はたして、イカの高騰はいつまで続くのでしょうか…。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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