【中国の「ライブ販売」】急成長も撤退相次ぐ 競争激化や習政権の締め付け強化で
新型コロナによる厳しい外出制限が相次ぐ中国で急成長したのが、ネットの中継で商品を売る「ライブ販売」です。年間数千億円を売りあげるインフルエンサーも現れるなど、急拡大していましたが、そのビジネスの現場を訪ねると、そこにはゴミの山ができていました。
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中国・海南島で26日から始まったのは、世界中のブランド2800以上が集まる見本市です。多くの人の目を引きつけていたのが、インターネット上で生放送の動画を配信し、リアルタイムで視聴者の質問に答えながら、商品の魅力をアピールする「ライブ販売」です。
記者
「こちらの場所では今、女性がカメラに向かって、子供用の粉ミルクをを紹介しています」
粉ミルクの販売業者
「268元のところ、見本市なので特別に66元での販売です。さあ買って、買って!」
新型コロナウイルスの厳しい感染対策で外出する機会が減る中、ライブ販売の需要は急拡大しました。2022年の市場規模は30兆円以上にのぼるとも言われています。
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ところが今、このライブ販売に異変が起きているのです。
日本テレビが向かったのは、浙江省・杭州です。巨大IT企業が拠点を置く杭州にはライブ販売のための施設が次々と建てられ、一時、8000を超える業者が活動し、一大拠点となっていました。
しかし、現在は――
記者
「こちらのフロアは物が全て撤去されて、ゴミなどがたくさん散乱しています」
若者向けのアパレル企業がライブ販売を行っていましたが、最近になりオフィスを撤去しました。実は今、ライブ販売から撤退する業者が相次ぎ、“廃虚化”が進んでいるのです。
ライブ販売が盛んに行われる夜になっても、明かりのついた部屋はほとんどなく、静まりかえっていました。
今も販売を続ける業者は――
ライブ販売する業者
「(ライブ販売は)やりづらい。確かに厳しい。生存率はかなり低い。本当にわずかだ」
近年、同業者が乱立したことで、生存競争が激化しています。出演するタレントや設備にもお金がかかる中、生き残りが難しくなっているのです。
さらには、政権による締め付けも――
人気インフルエンサー 黄薇さん
「ザクロとにんじんのゼリー。有名なにんじんで元気になる」
「ライブ販売の女王」と呼ばれた人気インフルエンサーたちが、相次いで摘発されました。年間5000億円以上を売り上げていた女性は脱税したとして、罰金など約240億円の支払いが命じられました。
富裕層と庶民の格差是正をアピールしたい習近平政権が、急成長を遂げたライブ販売にもメスを入れ始めたのです。昨年からは、当局の規制で表現にも制限が加わったといい、業界全体への締め付けが強まっています。
コロナ時代、“中国経済の新たな起爆剤”とも言われたライブ販売。その最先端ビジネスが今、大きな曲がり角を迎えています。
(2022年7月26日放送「news every. 」より)
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