「山上は日本にいないタイプ」なぜ襲撃を許したのか…現場から見えた“警備の死角”(2022年7月15日)
安倍元総理の銃撃から15日で1週間。山上徹也容疑者は、用意周到に準備していたことが分かってきています。
事件の前日、旧統一教会の関連施設近くの防犯カメラには、山上容疑者が乗ったとみられる車が映っていました。映像には、車が通りすぎた瞬間、閃光が発せられる瞬間が捉えられていました。この閃光は試し撃ちのものとみられています。
山上容疑者:「自分の車の中から撃った」
複数の警察官に守られながらも、安倍元総理は2発の銃弾を浴びました。
警察はなぜ襲撃を許したのでしょうか。
警察関係者:「多くの訓練は思想を持った人物などが『アベー!』と叫んで撃つといったケースを想定している。山上は今まで日本にいなかったタイプだった」
警視庁SATの出身で、要人警護のスペシャリスト・伊藤鋼一さんと襲撃現場を再び訪れました。
まず指摘したのは、背後の死角です。
元警視庁SAT・伊藤鋼一さん:「やはり背後は警備しづらい部分がある」
今回の襲撃は、後ろからの接近を許したことが全てでした。
6年前の奈良市で、総理時代の安倍総理が演説していた時には、後方だけを警戒するSPの存在を確認できます。
元警視庁特殊部隊・伊藤鋼一さん:「パトカーを1台配置して、安倍元総理の背後の警備をちゃんとやっていれば必ず防げた。1車線でも規制をして、そこに選挙カーでも構わないので」
さらにこう指摘します。
見せる警備というか、本来であれば制服警官を置く。もしかしたら職務質問される、事前に逮捕される、そういう恐れが生じるので、非常に抑止効果がある」
現に岡山では、山上容疑者は警備を見て襲撃を見送っています。
断念させることができず、背後から接近されたとしても、今回の件では2発目を撃たせなければ、安倍元総理が亡くなることはありませんでした。
元警視庁特殊部隊・伊藤鋼一さん:「(Q.1発目は外れた。その後の対応はどうだったか?)本来であれば、山上容疑者が1発目を撃った時点で、それが山上容疑者が撃った弾でなくても、花火を上げたとか、車のバックファイアとか異常な音がしたなら、必ず伏せさせなければいけない」
警察の根幹は揺らいでいます。
警察庁・中村格長官:「警護警備の体制・配置、警護措置要領といった現場の対応のみならず、警察庁の関与の在り方等にも問題があった。警察として要人警護警備の責任を果たせなかったものと極めて重く受け止めています」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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