「重症化リスクが高い可能性」【BA.5】は肺で増殖するという研究結果も…|TBS NEWS DIG

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「重症化リスクが高い可能性」【BA.5】は肺で増殖するという研究結果も…|TBS NEWS DIG

約4か月ぶりに、東京の新型コロナ感染者が1万人を超えました。感染拡大の要因の1つとされているのが、オミクロン株の亜種【BA.5】への置き換わりです。これまで【BA.5】は、「感染力は強い」が「重症化リスクは低い」と言われてきましたが、最新の研究では、「重症化リスクが高い」可能性を示す結果も発表されています。

■「BA.2」から置き換わりが進む「BA. 5」の特徴

感染拡大の背景として考えられるのが、オミクロン株の亜種「BA.2」から「BA. 5」への置き換わりというところです。まずBA.5ですが、厚生労働省アドバイザリーボード(6月30日)によると「今月末には90%以上がBA.5に置き換わるのではないか」と予測されています。これまで言われてきたBA.5の特徴は▼感染力は強い。ただ▼重症化しにくいというものです。

では臨床の現場では実際どうなのでしょうか?
伯鳳会あそか病院の白石廣照医師はBA.5の患者を数多く診察してきました。

<BA.5の患者の特徴>
・1週間ぐらい「高熱」が出る患者が複数いた
・立てないぐらいの「強い倦怠感」を訴えるという患者も複数いた

白石医師によると「重症ではないが、若い人でも肺炎になる人もいた」ということです。

■東京大学医科学研究所・佐藤教授らの研究グループが実験 BA.5は「重症化リスクが高い可能性」

<BA.2の特徴>
・鼻やのどでウイルスが増えやすい
・肺では増えにくいので、重症化リスクは低かった
・若い人で肺炎になる患者はほとんどいなかった

では、このBA.5の肺炎や重症化のリスクはどうなのでしょうか?
東京大学医科学研究所の佐藤佳教授らの研究グループの実験によると、BA.5は「肺で増えやすい可能性がある」という結果になりました。

<ヒトの肺細胞でこのBA.5を培養して実験>
→BA.2と比べるとウイルス量が18.3倍に増えた
<ハムスターで実験>
→BA.2に比べて重症化リスクが高かった

東京大学医科学研究所 佐藤佳教授
「ワクチン接種をした人で同じことが起きるかは不明だという前提はありますけれども、BA5は性質が変わって、BA.2よりも重症化リスクが高い可能性が考えられる」

ホラン千秋キャスター:
倉持さん、例えばBA.2のときは風邪に近い症状、B5のときは肺炎に近い症状など、何か感覚的に言えることはあるのでしょうか?

インターパーク倉持呼吸器内科 倉持仁院長:
我々はまだそんなにたくさんのBA.5の症例を見ているわけではないのではっきりとしたことは言えませんが、ただ、肺炎を起こす10代の患者が入院したり、80代の患者が入院したりするというようなことが起こっているので、今までのBA.2とは違うと考えた方がいいと思います。

井上貴博キャスター:
新規感染者が増えて慌てるということを2年半以上ずっと繰り返していますが、新型コロナウイルスに対応できる病院を増やすなど、早期治療介入をめぐる体制は全く変わってないですか?

倉持院長:
どうしても、感染者が増えるとおっつけで体制を整えていくという運用になっていますから、特に今回の場合は去年のデルタ株とは違って外来診療体制、PCRの検査体制、そして肺炎を起こしてくるというデータを一緒に研究させてもらっている佐藤先生たちが出してくれていますから、臨床の現場としてもそこに注意しながら早期投薬ができる環境が大事なんだと思います。

井上キャスター:
それは、ずっと求めているけど全く進んでないという理解でいいですか。

倉持院長:
少しずつは進んできていますが、物事が大きくならないと動かないという面がありますので、この感染拡大中にまた運用が変わってくることを期待しています。

南波キャスター:
感染が拡大してくると、気になるのが「行動制限」。またそういった日々が繰り返されるのかというところです。

政府分科会 尾身茂会長(7月11日・岸田総理と面会後)
「できることをみんなでやれば、行動制限のようなものは今の段階では必要ないのではないか」

政権幹部
「政府は、7月前半開始予定の『全国旅行支援』を延期する方向で検討している」

政府は全国旅行支援について、今週後半にも方針を発表するとみられています。

■新型コロナ感染拡大・・・「旅行」「飲食」は大丈夫?

では、感染が拡大する中で旅行や飲食については大丈夫なのでしょうか?

倉持院長:
やはりこういう感染拡大期には大人数とか友だちとかと旅行に行くのは控えて、家族だけでとか、あるいは体調が悪ければすぐにPCR検査を受けて必要に応じて投薬できるような取り組みを各自治体がしていかなければ、逆に言えば行動を制限せざるを得ないような状況が来てしまうと困りますので、至急整えていただきたいですね。

井上キャスター:
特例承認の話が出ている塩野義製薬の薬などが出てくると状況は変わると考えていいですか?

倉持院長:
そういった薬も“株”によって効果も違うので、まずはトライアンドエラーで安全性を確認しながらデータを取ると。そのために特例承認をするというのも1つの方法だと考えています。

井上キャスター:
7月中にもその話し合いが持たれるという情報も入ってきています。

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