“1玉58円”いまレタスが安いワケ…暑さと大雨 農家は喜べない状況(2022年7月12日)

“1玉58円”いまレタスが安いワケ…暑さと大雨 農家は喜べない状況(2022年7月12日)

“1玉58円”いまレタスが安いワケ…暑さと大雨 農家は喜べない状況(2022年7月12日)

 野菜の高騰が相次ぐなか、今レタスが安いと話題になっています。なぜなのでしょうか。日本一の産地を緊急取材しました。

 東京・新宿区にある青果店では、ほうれん草が1袋198円、大葉が1袋88円。やっぱり、野菜の高値が気になります。

 ただ、そんななかでも今、「安い」と話題になっている野菜が。

 新宿八百屋・廣田廣史さん:「こちらがレタスですね。58円(税抜き)で売っています」

 買い物客(飲食店経営):「すごく安くなっていてちょっとびっくりしました。カレー店をやっているので必要なのでありがたいですね」

 実は、このレタス。先週はもっともっと安かったといいます。

 新宿八百屋・廣田廣史さん:「(Q.一番安い時だと?)(先週の)10円ですね。10円が一番安いです」

 実際、SNSでも「レタスが22円でびっくり」「レタスがうまい棒より安い…!」など、驚きの安値を報告する投稿が相次いでいました。

 異例の梅雨明けに異例の暑さ、そして直後には台風も。なのになぜレタスは安いのでしょうか。

 そこで番組が向かったのは、長野県の東南端に位置する川上村です。

 標高1000メートル以上に位置する川上村は涼しい気候で、日本一のレタス産地として知られています。

 祖父の代からレタスを栽培する由井さんに話を聞きました。

 レタス農家・由井祥平さん:「このレタスは品種的にも、朝どれしやすくて良いレタスです」

 ただ、素直に喜べる状況ではありません。見せてくれたのは、別の畑。

 レタス農家・由井祥平さん:「大きさが倍になってしまっていて、もう捨てるしかないかなという感じ」

 川上村周辺では先月下旬、6月の観測史上初めて真夏日を観測するなど連日、高温となり、その直後、台風などの影響で雨の日が続きました。

 その高温と大雨ですべてのレタスが、一気に収穫時期を迎えてしまったそうです。

 レタス農家・由井祥平さん:「あのビニールから、この畑一面ですね…を廃棄に回す予定です。1箱に16個入りなので、それが600箱あるのでそれを捨てる予定です」

 どの農家も収穫が追いつかないほど供給が増えたため、需要と供給のバランスが崩れ、一気に“値崩れ”を起こしたとみられます。

 JA長野八ケ岳によると、このバランスを保つために、今週から国の指導によってレタスの廃棄が始まりました。

 現在、3割近いレタスを廃棄することで需給バランスを保っているといいます。

 レタス農由・由井祥平さん:「廃棄した分のお金も収入は入ってこないですし」

 品質の良いレタスがたくさん獲れているのに、農家が苦境に立たされるという矛盾が起きているのです。

 レタス農家・由井祥平さん:「スーパーに並ぶまでに手間暇かけて作っていますので、なるべく消費して頂ければ助かると思います」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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