「『正義を守る』この社是は何なのか」京都新聞の現役記者らが元相談役らを刑事告発(2022年6月29日)

「『正義を守る』この社是は何なのか」京都新聞の現役記者らが元相談役らを刑事告発(2022年6月29日)

「『正義を守る』この社是は何なのか」京都新聞の現役記者らが元相談役らを刑事告発(2022年6月29日)

現役記者らが新聞社の元相談役や現役員を異例の刑事告発です。古都の老舗報道機関が揺れています。

 京都府内で朝刊のシェア45%を誇る京都新聞。現役記者らが大株主を刑事告発するという異例の事態に発展しました。

 告発されたのは、京都新聞ホールディングスの大株主で元相談役の白石浩子氏(81)と、その息子で取締役の京大氏(48)です。

 浩子氏は去年までの約2年間、経営に口出しをしない対価として京大氏から毎月270万円、少なくとも計5700万円あまりを受け取った会社法違反(利益供与)の疑いで刑事告発されました。

 (京都新聞・日比野敏陽記者)
 「疑惑じゃもうなくなっているんですね。疑惑じゃないので告発しました。誰も何もしないので、やらざるを得ないと思いますし。(ホームページには)『我らは正義を守る、我らは自由を守る、我らは真実を守る』と社是を掲げているんですよね。この社是は何なんだということになるじゃないですか。新聞を愛していますので、せめて社員が声を上げたということが記録に残ってもいいんじゃないかなと」

 (告発した京都新聞の記者)
 「一定やっぱりけじめをつけないといけないのではないかなと。メディア企業であるならば、なおさらそういうことは必要ではないかと思います。そのままの新聞社でいいのかと」

 第三者委員会は、浩子氏が1987年以降、勤務実態がないにもかかわらず、約16億円の報酬を受けたと認定。さらに、京都市左京区にある浩子氏の私邸の管理費約2億6000万円を会社側に肩代わりさせていたということです。

 近所に住む人たちは次のように話しています。

 (近所の人)
 「ええ人やったで。近所の人との付き合いもよかったし。(Q浩子氏の私邸に入られたことは?)ある。プールあった、昔プールあった」
 「出口はそこしかないからね。ベンツで出ていくのを見たことがある。桜がいっぱいあるでしょ、そこで園遊会みたいなこともやってましたわ」

 一方、6月29日に開かれた株主総会。終わった後、出席者に話を聞いてみると次のように話しました。

 (株主)
 「もうなんかほとんど中身がなかったです」
 「(Q普段通りの株主総会だった?)普段通りではないけどね」

 詳しい話を聞くことはできませんでした。

 京都新聞ホールディングスはこれまで、関係者の刑事責任は追及せず、現経営陣にも責任はないという姿勢を見せていて、MBSの取材に対して「記者個人による告発なのでコメントは特にない」としてます。

 一方、ホールディングスは6月29日付で、取締役の京大氏の退任を決め、浩子氏に対し、相談役としての報酬と私邸の管理費用の計4億円余りの返還を求める訴訟を起こしました。

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