【同性婚】「認めないのは“合憲”」大阪地裁 札幌地裁と判断分かれる
同性婚を認めないのは憲法違反か。去年、札幌地裁は一部違憲と判断しましたが、20日、大阪地裁は「合憲」と異なる判断をしました。原告の1組、田中さんたちは、法律上は他人のため、自分の死後、家を相続させられるのかなど心配は尽きないといいます。
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香川県・三豊市で、一つ屋根の下で暮らす、田中昭全さん（44）と、川田有希さん（37）。2人は、自分たちのことを「夫夫（ふうふ）」と呼んでいます。
田中さんと川田さんは、「同性婚を認めないのは、法の下の平等などを保障する憲法に違反する」として、国を訴えた原告の1組です。自治体からは「パートナーシップ制度」で認定されていますが、法律上は「他人」のまま…。例えば、自分の死後「相手に家を相続させられるのか」など、心配は尽きないといいます。
田中昭全さん（44）
「婚姻は、いろいろな権利の束のパッケージなわけじゃないですか。制度があることで安心したいというか、心配事から一刻も早く逃れたいわけです」
そんな2人に追い風となったのが、去年3月、札幌地裁が「同性婚を認めないのは憲法違反」との初めての判断を示したことです。
それに続くか注目された20日の大阪地裁の判断でしたが、札幌地裁とは違い、「違憲とは認めない」判決が下されました。
20日の大阪地裁の判決では、「憲法は同性婚を禁止するものではないが、異性間の結婚と同程度に保障しているとはいえない」としたうえで、「同性カップルにどのような法的保護を与えるかは、議論の途中だ」と指摘しました。
同性カップルの法的保護は“議論の途中”との指摘に対し、原告は――
田中昭全さん（44）
「『立法がなかなか動かないから司法判断をしてください』と…結局、立法に押し戻してる感じがあって、『あれ？』という感じ」
川田有希さん（37）
「司法が逃げ腰なのかなという感想はありました」
また、大阪地裁が判決で、「婚姻に似た新たな法的制度をつくる方法もある」としたことについては、原告の1人であり、同性カップルの坂田麻智さん（43）は「私たちが求めているのは婚姻の平等であって、類似の制度はまた区別される。差別されることと同じなので」と訴えました。
原告側は、判決を不服として控訴する方針です。
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“同性婚訴訟”は、3年前から、東京、大阪、札幌、名古屋、福岡の全国5か所で一斉に行われています。次は11月30日、東京地裁で判決が言い渡される予定です。
原告の田中さん（44）は、「議論の途上というふうに言われてましたけど、『いつまで議論するんだろう』みたいな。議論は誰がしているんだろうと、そこの不在を思ってしまった」と話しました。
(2022年6月20日放送「news zero 」より）
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