16億人に影響…ロシアのウクライナ侵攻が招いた世界的食糧危機 日本への影響は?【サンデーモーニング】【手作り解説】|TBS NEWS DIG

16億人に影響…ロシアのウクライナ侵攻が招いた世界的食糧危機 日本への影響は?【サンデーモーニング】【手作り解説】|TBS NEWS DIG

16億人に影響…ロシアのウクライナ侵攻が招いた世界的食糧危機 日本への影響は?【サンデーモーニング】【手作り解説】|TBS NEWS DIG

ロシアの黒海封鎖などによって、世界有数の生産量を誇るウクライナの小麦は輸出ができず、ウクライナの小麦に依存するアフリカや中東は深刻な食糧危機に見舞われています。その影響は直接、購入していない日本にも…。

■“ヨーロッパのパンかご"ウクライナ 国旗の意味
青と黄、2色のウクライナ国旗。実は青色は空、黄色は小麦を現しています。
国土のおよそ7割を農地が占めるウクライナ。最も盛んなのが小麦の生産、輸出量は世界第5位の1800万トンです。

■小麦が輸出できない原因は?世界に広がる影響
ウクライナで生産された小麦は、オデーサ港など黒海沿岸の港で船に積まれ、黒海から地中海、さらに一部はスエズ運河をわたって、アフリカ諸国、中東、東南アジア、そしてEU諸国など世界41か国に輸出されています。しかし、ロシアの艦隊が航路を塞ぐなどしているため、小麦を輸出できない事態となっています。

■小麦争奪戦により価格高騰 世界の穀物貿易に多大な影響が…
足りなくなった小麦を求めて世界で小麦の争奪戦が始まっています。ウクライナ侵攻が始まって以来、世界の小麦の相場は1.5倍ほどに上昇しました。ゼレンスキー大統領は「この状態が続けば、秋までに、7500万トンもの行き場のなくなった穀物がウクライナ国内にとどまってしまう可能性がある」と訴えます。これは世界全体の年間の穀物貿易量の17%にあたります。

■気候変動による生産力低下が拍車をかける
こうした状況に、拍車を掛けるのが世界的な気候変動。2022年5月、小麦の生産量が世界2位のインドを49.2℃の記録的な“熱波"が襲いました。生産量世界4位のアメリカと6位のフランス、さらに大豆の生産量が世界一のブラジルなどでも深刻な干ばつが続いていて、作物への影響が懸念されています。

「ウクライナ侵攻」と「気候変動」のダブルパンチで深刻化する食糧問題。6月、ドイツで開催されるG7サミットで、主要な議題となるとみられ、ウクライナの小麦に依存する、アフリカや中東への食糧支援や、ウクライナの穀物を安全に世界へ届けるルートについて議論されるとみられています。

■ウクライナの小麦を世界へ届ける「代替ルート」とは?
欧米のメディアなどによると、想定されるルートは主に3つ。鉄道などでポーランドに輸送しそこから船に積み込むルート、ルーマニアに輸送し船に積み込むルート、さらにベラルーシを経由してリトアニアの港まで運ぶというルートです。最も時間が短縮できるということですが、ロシアと近い関係にあるベラルーシの協力を得られるのか?大きな課題も抱えています。

■日本への影響は?
ウクライナから直接、小麦を輸入していませんが、世界的な小麦不足の影響で日本でも小麦を原料とした酒類やパン、麺類などの商品が次々と値上がりするなど無関係ではありません。世界はこの危機を乗り越えることができるのでしょうか。

(2022年6月12日放送 サンデーモーニング)

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