「県民割」全国拡大で調整・・・“GoTo”との違いは?(2022年6月11日)
新型コロナの感染者数が落ち着きつつある中、政府内では新たな観光割引案の調整が行われています。
それはGoToトラベルの再開ではなく、県民割の対象を全国に拡大するというものです。
県民割が全国に拡大されると、どんな効果が出るのか、そして”GoTo”再開と何が違うのか、航空・旅行アナリストの鳥海高太朗さんに聞きました。
●「県民割」の人気は?
板倉)いわわゆる「県民割」ですが、都道府県が実施している旅行割引制度で、全国を近畿や関東など6つのブロックに分け、それぞれのブロック内での旅行は1人1泊最大5000円の割引きがあり、さらに最大2000円分のクーポン券がつく所もあるというものです。
高島)
「県民割」の人気は、どれくらいあるんでしょうか。
鳥海さん)
早い所は昨年から始まっていて、感染状況に応じて、やったりやめたりというのがありましたけど、大阪がこの6月1日からスタートしたばかりなんですが、昨日私、大阪に宿泊していたんですが、ホテルの方に伺うと、この「県民割」を使って泊まる人が急に増えましたし、大阪もブロック割に入ってますんで、京都とか滋賀とか和歌山とかそういった周辺地域からの宿泊も多いということで、非常に稼働率が上がるという話は聞きますね。
高島)
東京では、ようやく昨日から「都民割」の予約が再開されましたけども、対象は都民限定ということですが、期待値は大きそうですよね。
鳥海さん)
そうですね、東京については2020年の12月GoToトラベルが全国一斉停止をした段階から、自治体も含めた割引が一切なかったと。ようやくこの割引制度を使って旅行すること、都内ですけど(旅行)することができるということで、きのう正午に発売になりましたけど、発売直後からすぐにいっぱいになる所が多くて、早いところは10分15分で一杯になってしまったところもありましたよね。やはり期待値は大きいのかなと思います。
●「県民割」全国拡大で調整 開始時期は?
高島)
そして、「県民割」について、政府は全国どこに行っても割引きが受けられるように調整していると言います。
板倉)
もともと国としては、現在、休止中の観光支援策「GoToトラベル」の1人1泊当たり最大1万円の割引きに加え、平日は3000円分のクーポンが付与される形で再開される予定でした。今回はこれに代わる形で「県民割」を全国に拡大させる方針のようです。今のままだと割引額は最大5000円になりますが、そのあたりはどうなんでしょうか。
鳥海さん)
「県民割」は宿泊で5000円とクーポン2000円で、合計7000円。「GoToトラベル」の場合は宿泊で1万円、クーポンも平日3000円で合計1万3000円になる。違いとしては「県民割」は、ホテルでしか適用ができないのに対して、「GoToトラベル」だとホテルに加えて、例えば飛行機とホテルのセット、新幹線とホテルのセットパッケージツアーになってくると、全体の旅費に対して30%の割引。それで最大1万円までということで、割引を受けられる金額が大きく違う。
高島)
「県民割」の全国拡大は、いつから始まると思われますか?
鳥海さん)
「県民割」に関しては4月からブロック割に拡大して、6月30日までの設定になっているので、これが全国に拡大するタイミングはおそらく7月1日になるだろうと。そして同じ割引額になるのではないかと。これから準備期間があり、7月からになると思う。
高島)
ホテル、旅行会社もうまく対応できそう?
鳥海さん)
ホテル、予約サイトはこれから準備していくが、課題としては、今まで「ブロック」だったので住んでいる所の周辺しか使用出来なかったが、今回全国になることで、東京の人が沖縄や北海道など人気の観光地に利用が集中してしまう懸念もあるので、不平等感含め考えて行かなければいけない。
●旅行消費額 訪日外国人旅行4.8兆円 日本人国内旅行21.9兆円
高島)
今週から外国人観光客の受け入れも再開しましたが、こういった消費という観点で言うとコロナ前で見るかぎり、実は外国人観光客よりも日本人の方が圧倒的に使ってますね。日本人がいかにお金を使うか使ってもらうかが鍵となりそうです。
鳥海さん)
これは重要な所になってくると思うんですが、今年はまだ海外に夏休み旅行に出かけようという日本人はまだ少ない状況の中で海外旅行に出かけない分、日本国内で消費するということも含めて、今例えば北海道ではJR北海道が6日間乗り放題で通常2万4000円なんですが、北海道などの支援があって半分支援して1万2000円で6日間特急も含めて乗り放題のものがあったりとか。東北の空港でも、1回利用するごとに5000円もらえたりとか。そういったことも含めて遠くに出かけたいといった需要が出てくる思います。
高島)
ここまで伺いました。ありがとうございました。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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