外食業界全体に注意喚起か・・・「目玉商品」品切れ宣伝 スシロー“おとり広告”措置命令(2022年6月10日)

外食業界全体に注意喚起か・・・「目玉商品」品切れ宣伝 スシロー“おとり広告”措置命令(2022年6月10日)

外食業界全体に注意喚起か・・・「目玉商品」品切れ宣伝 スシロー“おとり広告”措置命令(2022年6月10日)

 目玉商品として宣伝していたウニやカニは、実際には、多くの店舗で販売されていない期間がありました。回転ずしチェーン大手「スシロー」が、いわゆる「おとり広告」を出していたとして、消費者庁から再発防止を求められました。

■スシロー“品切れ”なのに宣伝

 去年9月、番組スタッフが偶然、撮影した写真です。

 シャリの上に、たっぷりとのった濃厚なウニ。旬のウニを、3つのアレンジで贅沢に楽しむことができる、このメニューは、スシローが去年9月、テレビCMやホームページなどを通じて、大々的に宣伝した期間限定メニューです。

 しかし、実際は・・・。

 公正取引委員会の会見:「キャンペーン期間中の3日間、多くの店舗において、終日提供していませんでした。『おとり広告』に該当する」

 おとり広告とは、商品を買うことができないにもかかわらず、購入できると誤認する恐れがある広告のことです。

 全国におよそ600店舗を持つ、業界最大手のスシローに一体、何があったのでしょうか?

 スシロー:「具材を十分に準備できていなかった」

 スシローは、去年9月から12月にかけて、ウニやカニを使った期間限定のキャンペーンを3度展開。ところが、仕入れが足りず、販売できない期間があったにもかかわらず、テレビCMやホームページで宣伝し続けていたというのです。

 公正取引委員会の会見:「当時からスシローに対し、苦情などが上がってきていた。『店に行ったら、きょうはなくて、週末なら提供できると言われた』。表示通りに、これらの料理を提供していなかったということから、これらの表示が景品表示法で禁止されている、いわゆる『おとり広告』にあたる」

 消費者庁は、キャンペーンの広告に掲載したネタを実際に提供していなかったのは、景品表示法違反のおとり広告にあたるとして、スシローの運営会社「あきんどスシロー」に、再発防止を求める措置命令を出しました。

■スシロー 初日から“欠品”も

 おとり広告と認定されたのは、「冬の味覚!豪華かにづくし」と題した、去年11月26日からのキャンペーン。さらに、去年9月の期間限定メニュー「濃厚うに包み」と「新物うに3種盛り」。こぼれそうな山盛りのウニを、極上海苔に包んで頂く“匠の一皿”「数量限定!売切御免!」の文字が踊ります。

 公正取引委員会の会見:「(Q.「売り切れ御免!」という文字など、その対応でスシローは十分という認識だった?)その対応で十分という直接の声は聞いていないが、本件のいずれの表示も、当初のスシローの認識としては、景品表示法に違反するものだとは全然思っていなかったと聞いています」

 キャンペーン商品を提供できない期間があった店舗のリストを見ると、北海道から沖縄まで、その数は538店舗。実に、全体の96%にあたります。中には、初日から提供できていない店もありました。

 公正取引委員会の会見:「不当表示を行った事業者が、シェアで業界1位ということを考えると、本件の不当表示が一般消費者に悪影響を与えた程度は、非常に大きなものであった」

 利用客を裏切るおとり広告に、スシローの利用者は、次のように話します。

 スシローファン(50代):「味はすごくおいしいので。結構ファンなんですけど、残念です」
 利用客(30代):「ちゃんと(広告で)言っているのであれば、用意してくれたほうがいいな。子どもとかも、それ目当てで行っているので。ないと、何を食べたらいいのか、分からなくなって、困ってしまいます」

 さらに、実際に広告を見て、店を訪れたという親子は、次のように話します。

 親子:「ウニとか、よく宣伝されてて。期待して、記念で、お誕生日だから行こうかって、行ってもないと、残念ですよね」「(Q.お誕生日の時だったんですか?)期待して行ったんですけどね」「食べたかったので、残念でした」

 今回のケースについて、景品表示法に詳しい弁護士は、次のように話します。

 染谷隆明弁護士:「料金も低めに抑えて頂いていて、(スシローを)好きな消費者の方は多い。故意であろうが、過失であろうが、結果として消費者に誤解を与えている。おとり広告が、外食産業で認められるということであれば、今回のスシローに対する措置命令は、外食業界全体に対する注意喚起なのでは」

 スシロー側は、「販売予想量として十分な在庫を用意しておりましたが、予想をはるかに上回るご愛顧を頂いた結果、早期に完売する店舗が発生してしまいました。再発防止に務めて参ります」とコメントしています。

(「グッド!モーニング」2022年6月10日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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