「許容してない 我慢している」“庶民”敵に回した日銀“黒田発言”の波紋(2022年6月7日)

「許容してない 我慢している」“庶民”敵に回した日銀“黒田発言”の波紋(2022年6月7日)

「許容してない 我慢している」“庶民”敵に回した日銀“黒田発言”の波紋(2022年6月7日)

 20年ぶりに一時、1ドル=133円ちょうどまで円安が進むなか、日銀の黒田総裁の発言が波紋を広げています。値上げについて「家計の許容度も高まっている」とした発言に、世間とのズレを指摘する声が上がっています。

 日銀・黒田東彦総裁:「日本の家計の値上げ許容度も高まってきているのは、持続的な物価上昇の実現を目指す観点からは、重要な変化と捉えることができます」

 6日、日銀の黒田総裁から飛び出したこの発言。本当に世の中は、値上げを受け入れているのでしょうか。

 自営業・60代:「えっ!っと思いました。手取り20万くらいで1年間(生活を)やってみたらどうかと」

 年金生活者・70代:「ひどい。何とかやりくりしている」

 50代:「同じものを食べているのかなって。許容してない。我慢している」

 日銀総裁と世間とのズレ・・・。ネット上では「#値上げ受け入れていません」がツイッターのトレンドになるほどです。

 アキダイ・秋葉弘道社長:「毎週日曜日、朝市やっているが、並んでいる人数を見て価格の関心度を私はバロメーターとしてみている。普通なら100人並んでいる。今、200人並んでいる。異常だと思いません?5円、10円の値上がりでも皆、敏感になっている。受け入れているわけではなく、買わなければ生活ができない」

 かつてないほど消費者は価格に敏感になり、特売の行列は倍になっている現状。

 一方、黒田総裁は・・・。

 日銀・黒田東彦総裁:「私自身スーパーに行って、ものを買ったこともありますけれど、基本的には家内がやっておりますので」

 自分であまりものを買うことがない様子・・・。

 萩生田経産大臣:「買い物は家内に任せてますとおっしゃったんで、やや実態感がないお話だったのかな」

 自営業・60代:「自分で買ってみたら?って感じ」

 アキダイ・秋葉弘道社長:「黒田総裁はじめ政府関係者に思うことは、日曜日の朝9時(特売)に来てみて下さい。必死にお買い物を考えながらしているということを、見て、感じてもらいたい」

 黒田総裁は、新型コロナで行動が制限されたことにより「貯蓄」が増えたと仮定。今回の発言につながりました。

 日銀・黒田東彦総裁:「強制貯蓄の存在等により日本の家計が値上げを受け入れている間に良好なマクロ経済環境をできるだけ維持し、これを来年度以降のベースアップを含めた賃金の本格上昇にいかにつなげていけるかが、当面のポイントであると考えています」

 しかし、経済の専門家からは・・・。

 経済評論家・萩原博子さん:「去年は貯蓄額が過去最高だったんですが、爪に火をともすように節約しながら貯金している。全く分からずに金融政策をしていたのかと思うとゾッとしますね」

 一方、外国為替市場では1ドルが133円ちょうどまで進み、2002年4月以来、およそ20年ぶりの円安水準を更新しました。

 この原因となったのは、日米におけるの金融政策の差。

 経済評論家・萩原博子氏:「アメリカはインフレが進んで給料が上がっています。ですから景気が過熱気味になってきた。これを抑えようということで金利の引き上げを提言している。(日米の)金利差がどんどん開いていく」

 マイナス金利政策を続ける日本。このため、金利の高いドルを買って、円を売る動きが進み、円安が加速しているのです。

 黒田氏が日銀総裁に就任したのは、2013年3月。

 日銀・黒田東彦総裁:「2%という物価安定目標をできるだけ早期に実現する」

 「物価上昇率2%」の目標を掲げ、「黒田バズーカ」とも言われた大規模な金融緩和を行います。

 当時、日本は物価の下落が賃金の減少を促し、経済が落ち込んでいく「デフレスパイラル」の懸念があり、物価を上昇させ、この悪循環を断ち切る必要があったのです。

 2016年には、金融機関が企業への貸し出しを活性化させるため、「マイナス金利政策」を導入。

 しかし、それでも物価上昇率が2%に届くことはありませんでした。

 経済評論家・萩原博子氏:「このままだと、黒田総裁はデフレを脱却しようとしてますけど、皆さんもっともっと物を買わなくなる。それからもっともっと節約志向に走って、もっともっとお金を使わなくなる」

 今月7日の国会、バズーカでならした黒田総裁が集中砲火を浴びます。

 立憲民主党・古賀之士議員:「きのうの講演は、ちょっと口が滑ったのではないかと・・・」

 立憲民主党・勝部賢志議員:「SNSでは相当な反応があります。『まじで世間知らず』」

 共産党・大門実紀史議員:「軽率な根拠で軽率な発言をされたと・・・」

 黒田総裁が「値上げ許容度が高まっている」と述べた根拠は東京大学、渡辺努教授のアンケート調査です。

 なじみの店でなじみの商品の値段が10%上がった時に、「その店でそのまま買う」と答えた人の割合が去年に比べて13ポイント上昇しているというもの。

 値上げを受け入れているのかどうかは聞いていません。

 経済評論家・萩原博子さん:「ほぼ全部のスーパーで値上がりするわけです。買うか買わないか言われたら買わざるを得ないのが消費者なんです。値上げを『許容している』か『していない』かって、全く違う話ですね」

 立憲民主党・古賀之士議員:「リップサービスが過ぎたんだと言って頂いた方がすとんと落ちる」

 日銀・黒田東彦総裁:「渡辺努先生の統計は一つの統計ですので、それをやや強調しすぎたかもしれません」

 共産党・大門実紀史議員:「妥当な表現ではなかったということでよろしいんでしょうか?」

 日銀・黒田東彦総裁:「必ずしも適切な言い方ではなかったと考えております」

 一方で、金融緩和政策は続けるといいます。

 共産党・大門実紀史議員:「目の前の生活者より自分たちの目標、自分たちが掲げてきたこと、そんな話ばかり、そんな理屈ばかり。何の意味があるのか、こんな目標に。この異次元金融緩和というのは間違いですよね?」

 日銀・黒田東彦総裁:「そういうふうには考えておりません。デフレでない状況が実現したということだと思います」

 「デフレでない状況」とは現在の賃金が上がらないなかでの物価高のことでしょうか。

 自営業・60代:「自分も一般人みたいな生活をしてみたらどうでしょうか」

 年金生活者・70代:「年金生活者なので、入ってくる金額は決まっているのでどこかで節約しないといけない」

 黒田総裁の発言を巡る反応について、内閣府幹部は「お茶の間の感覚を変えないとデフレ脱却はできない」と黒田氏を擁護しました。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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