“東名あおり”1審判決と同じ懲役18年 石橋被告は「きょう中に控訴」(2022年6月6日)

“東名あおり”1審判決と同じ懲役18年 石橋被告は「きょう中に控訴」(2022年6月6日)

“東名あおり”1審判決と同じ懲役18年 石橋被告は「きょう中に控訴」(2022年6月6日)

 東名高速であおり運転の末、4人が死傷した事件から5年。異例のやり直しとなった裁判の判決公判が6日午後に開かれ、男に懲役18年が言い渡されました。 

 2017年、神奈川県の東名高速であおり運転の末、無理やり車を止めさせトラックに追突された、萩山嘉久さん(当時45)と妻の友香さん(当時39)を死なせた罪などに問われた、石橋和歩被告(30)の裁判。

 この裁判は、2018年に1審の横浜地方裁判所が危険運転の罪にあたるとして一度は、懲役18年の判決を下していましたが、2審の東京高等裁判所が1審の手続きに違法な点があったとして、審理がやり直されていました。

 今月6日、スーツ姿で出廷した石橋被告は椅子にもたれ掛かりながら弁護士と小声で話すなど、リラックスした様子でした。

 裁判長:「被告人は証言台の前へ。主文、懲役18年」

 裁判長は、石橋被告に1審と同じ、懲役18年の実刑判決を言い渡したのです。

 横浜地裁は、4年前と同じく危険運転致死傷罪の適用を認める判断をしました。

 判決を言い渡された石橋被告は、頭を動かしたり、声を発したりするようなことはなく、黙って裁判長の言葉を聞いていました。

 裁判長:「萩山さんの車は中井パーキングエリアから下り車線へ出るため石橋被告の車を通過したところ、嘉久さんがスライドドアを開け『邪魔だ、ぼけぇ』と言った。石橋被告は憤慨し、追跡して停止させ、文句を言おうと考え下り車線に入る。53.9キロから54.8キロ付近まで追跡。午後9時34分、第3通行帯に停止させた」

 判決によりますと、石橋被告の車は、被害者家族の車を追い越して前に出て減速するなどして停車させました。

 裁判長:「停止後、石橋被告はすぐに降りて後方左に行き、『けんか売りよるか』などと言った。その後、自ら友香さんと嘉久さんが出て行き、9時3分ごろ、停止からおよそ2分後、54.8キロ先で、大型自動貨物車が第3通行帯で順に衝突する事故が発生」

 トラックが突っ込み、夫婦は死亡。娘2人がけがをしました。

 これまでの裁判で石橋被告側は、無罪を主張していました。

 石橋和歩被告:「自分は事故になるような危険な運転はしていないです」

 一方で、検察側は石橋被告の妨害運転が運転していた友香さんを心理的に追い込み、車を止めさせて事故を誘発したなどと指摘していました。

 2018年、1審の裁判員裁判で、一度は懲役18年の判決が下されていた裁判。その後の控訴審で、東京高裁は危険運転致死傷罪を認めた一方で、1審の手続きが違法だったとして、1審判決を取り消し、裁判をやり直すよう命じました。

 裁判は、なぜやり直しになったのでしょうか・・・。

 東京高裁が違法だと指摘したのは、1審の前に裁判官と検察側、それに弁護側の三者で争点を整理する「公判前整理手続き」についてです。

 東京高裁は、横浜地裁が「公判前整理手続き」のなかで、「危険運転致死傷罪に当たらない」との見解を示していたにもかかわらず、裁判員裁判が始まってから裁判所が見解を変更し、判決で危険運転を認めたため、「被告や弁護士に対して不意打ちになることが明らかで、違法である」としたのです。

 そして今回、再び下された判決は、求刑通りの懲役18年の実刑判決。1審での地裁の判決と量刑判断は同じでした。

 石橋被告の主任弁護人・高野隆弁護士:「判決後に石橋氏と面会して、きょう中に控訴すると言っている。非常におかしいと。一方的で証拠をちゃんと理解してくれていない。自分が述べたこともちゃんと理解されていないということがとても残念」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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