“制裁” EUが「ロシア産石油」海上ルート禁輸で合意…世界最長「ドルジバパイプライン」とは?【サンデーモーニング】【手作り解説】|TBS NEWS DIG

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“制裁” EUが「ロシア産石油」海上ルート禁輸で合意…世界最長「ドルジバパイプライン」とは?【サンデーモーニング】【手作り解説】|TBS NEWS DIG

EUが新たな制裁として打ち出したロシア産石油の輸入禁止措置。ロシアからの石油に依存するハンガリーなどに配慮し、ロシアから東欧を通る「ドルジバパイプライン」経由の石油は制裁対象から除外され、海上輸送分を禁止する妥協案で合意しました。

■EU足並みに乱れ 世界3位の産油国ロシアへの制裁は…

今回、EUが新たな制裁として合意した「ロシア産石油の輸入禁止」。
ロシア産の石油は半分近くがEU向けに輸出されていて、フランスやポーランドなどが中心となって「全面的な輸入禁止」でまとめようとしましたが、ロシアと親密な関係にあるハンガリーが強行に反対し部分的な禁輸となったのです。

ロシアは世界第3位の産油国で国家財政の大部分をエネルギー輸出に依存しています。
パイプラインはユーラシア大陸に張り巡らされ、中国などの極東につながるルート、西シベリアからバルト海につながるルート、カザフスタンから黒海に出るルートなどがあります。総延長はおよそ6万7000キロで、ほとんどをロシアの国有企業トランスネフチが保有・運営しています。

■世界最長5000キロの「ドルジバパイプライン」とは?

なかでも重要なのが、カスピ海周辺や西シベリアなどで採れた石油をヨーロッパに運ぶ「ドルジバパイプライン」です。「ドルジバ」とは、ロシア語で「友好」という意味です。総延長は世界最長の5000キロ。EU向けの石油の3分の1がこのパイプラインを経由しています。

ルートは2つあり、▼ベラルーシで分岐しポーランド・ドイツに向かうルートと、▼ハンガリーなど東欧内陸国につながるルートに分かれています。
このハンガリーを通るルートを止めるという案について、オルバン首相は「国内経済に核爆弾を落とすものだ」と猛反発。制裁には全会一致が必要なため、このルートを当面除外することでなんとか合意した形です。また、もう一つのルートについては、ドイツやポーランドは、2022年中に止めることを表明しています。

■海上輸送への制裁でロシア産石油9割削減へ

代わりに今回、制裁の対象となったのが「海上輸送ルート」です。北極海やバルト海、黒海、地中海などを通ってヨーロッパなどに輸出されており、EU向けの石油のうち、3分の2を占めています。この海上輸送と、ドイツやポーランドを通るパイプライン分を合わせると、EU側は2022年の年末までに9割のロシア産石油を止めることができるといいます。

■米“長距離砲”をウクライナに提供へ「防衛のため」

EUによる対ロ制裁が進む中、アメリカもウクライナへの支援を強めています。

バイデン政権が提供することを決めた4基の「HIMARS(ハイマース)」。
最大射程300キロと長距離から精密攻撃を行えるため、ミサイル攻撃を繰り返すロシア軍に対抗することができます。ただ、ロシア領内への攻撃も可能になるため、
提供する弾薬の射程を70キロに制限し、防衛のためだけに使うという条件を付けるなど、ロシアの反発を警戒しながらギリギリの支援を模索しています。

(サンデーモーニング 2022年6月5日放送より)

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